日産リーフ初めての車検 購入後3年/2万3000km走行 いいところ、悪いところ

公開 : 2021.12.09 05:45

少ないが大きな不満も……

個人的には大きな不満のないリーフ

現時点ではクルマとしては買ってよかった1台といってもいいだろう。

筆者の日産リーフ
筆者の日産リーフ    小鮒康一

しかし、不満がないかと聞かれればないわけではない。

その最も大きな不満というのが、市場価格の暴落だ。

40kWhモデルであっても、多くのユーザーが欲しいと思う装備をプラスしていくと支払総額400万円前後となってしまうリーフだが、初代モデルで植え付けられてしまった「バッテリーが劣化する」というイメージが強いのか、中古車市場では価格が暴落しているのだ。

一例を挙げると、2021年式のX Vセレクション(新車価格406万3400円)の走行距離5000km未満の物件が乗り出し300万円を切る価格で多く存在している。

しかも販売しているのは日産ディーラー系の中古車店であり、メーカー系が自ら価値を下げているといってもいいほどなのである。

これから中古車としてリーフを購入しようとしている人にとっては朗報だが、すでにリーフを所有しているユーザーからしてみれば、下取り価格が予想以上につかないことを意味しており、まさに「リーフ地獄」に陥ってしまう可能性もあるといえる。

また、未来永劫続くとは思っていなかったが、予想よりも早く打ち切られてしまった「充電し放題プラン」も不満の1つ。

筆者のように自宅で充電できなくても、このプランがあるからリーフを購入したというユーザーは少なくなく、新車時から5年間の充電し放題プランの満期が来た時に帰路に立たされるユーザーも多くいることだろう。

100%電動化 まだこない?

このように実際3年間電気自動車を所有してみて感じたのは、電気自動車自体は実用に耐えうるレベルまで進化しているが、インフラが圧倒的に追いついていないということだ。

いくら小型で大容量なバッテリーが開発されたとしても、容量が大きくなれば満充電までにかかる時間も必然的に長くなる。

筆者の日産リーフ
筆者の日産リーフ    小鮒康一

自宅での充電ができる環境下のユーザーであっても、場合によっては一晩で満充電にならない可能性もあるだろう。

また、高速道路のパーキングエリアや道の駅などに備わる急速充電器はほとんどのところで1基のみの設置となっており、すでに休日では慢性的な充電器不足が発生しており、今以上に電気自動車が増えればより悪循環になっていくことは予想に難くない。

となると、自宅で充電ができる環境があり、1度の充電で往復できる範囲での移動に電気自動車を供するというのが最も現実的な路線となるが、都心では充電器を備えた家に住める人は限られてくるだろうし、そもそも近距離移動であれば安価な軽自動車でも十分に事足りるため、わざわざ高価な電気自動車を購入する必要性もないだろう。

そういったことを加味すると、電気自動車は乗り物としては非常に楽しく先進的なものではあるものの、インフラなどを考えるとまだまだマニア向けの乗り物であるといわざるを得ないというのが正直な感想である。

記事に関わった人々

  • 執筆

    小鮒康一

    Koichi Kobuna

    1979年生まれ。幼少のころに再放送されていた「西部警察」によってクルマに目覚めるも、学生時代はクルマと無縁の生活を送る。免許取得後にその想いが再燃し、気づけば旧車からEV、軽自動車まで幅広い車種を所有することに。どちらかというとヘンテコなクルマを愛し、最近では格安車を拾ってきてはそれなりに仕上げることに歓びを見出した、尿酸値高い系男子。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事