アウディA3 スポーツバックへ試乗 デザインとパフォーマンス 実力派の新世代 前編

公開 : 2021.12.18 08:25

推しのプログレッシブ・ステアリング

近年にわかに意識が高まるサスティナビリティへの配慮として、シートクッションはペットボトルのリサイクル素材が用いられている点にも触れておこう。アウディによれば、1台分のシートで1.5Lボトルなら45本分の素材を、再利用している計算になるという。

車内空間は全幅が広げられたおかげで、前席側で6mm、後席側で3mm、肘周りの空間が増えている。また、頭上空間も前席で7mm余裕が出た。少しでも広い方が、居心地は良く感じられると思う。

アウディA3 スポーツバック 35 TFSI Sライン(欧州仕様)
アウディA3 スポーツバック 35 TFSI Sライン(欧州仕様)

荷室容量はトノカバー下で380Lと、先代のA3と同値。40:20:40の分割式となるリアシートを倒せば、1200Lにまで拡大できる。

予習はこのくらいにして、一般道に出てみよう。アウディA3は、以前からステアリングフィールの評価が高いとはいえなかった。だが、多くのユーザーが不満を抱くことのないダイナミックさを備えてもいた。その特徴は変わらない。

ただし試乗車には、可変レシオのプログレッシブ・ステアリングがオプションとして装備されており、ステアリングホイールを切り増ししていく程にダイレクト感が増加。印象はとても良かった。

駐車時には素早くタイヤの向きを変えてくれ、タイトなコーナリングでは信じられないほど意欲的にノーズを喰らいつかせてくれる。直進状態付近では、過敏に感じさせない設定も良い。

市街地を中心に走るユーザーでも、都市間移動を頻繁にするようなユーザーでも、アップグレードする価値はあると思う。標準では、速度感応式の電動パワステになる。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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