東欧の奇妙なクルマ 21選 共産圏が生んだ名車・珍車・迷車、どれだけ知ってる?
公開 : 2021.12.12 06:05
ヴァルトブルグ1.3(1988年)
トラバント601と同様に、ヴァルトブルグ353も賞味期限を超えて生き続けた。このモデルもまた、フォルクスワーゲンから水冷エンジンを供給されている。
2代目ゴルフの一部に搭載された58psの1.3L 4気筒エンジンは、1991年4月まで353の寿命を延ばした。4ストロークモデルは、エンジンの大型化に合わせてフロントエンドをよりモダンにしたことが特徴だ。
トラバント1.1(1990年)
東ドイツ政府は、技術者や幹部がトラバント601の近代化を要求しても、ことごとくそれを却下した。提示された案のなかには、2ストロークエンジンをヴァンケルエンジンに変更するというものもあった。しかし、1980年代になってようやく政府が折れた。フォルクスワーゲン・ポロの1.1L 4気筒エンジンを搭載した最新モデルの開発が認められたのである。
新エンジンの搭載に伴い、グリルをはじめとする外観や内装の変更が行われた。トラバントは「1.1」と名付け、1990年から1991年にかけて生産。しかし、あまりにも小さく、時期も遅すぎた。トラバントは、自身を生み出した共産主義政府と同じように、すでに運命づけられていたのである。
ラーダ111ターザン2(1999年)
ラーダのSUV、ターザン2(Tarzan-2)は、最初はありふれたステーションワゴンの111として生まれた。セパレートフレームを採用し、不朽の名車であるニーヴァから4輪駆動部分を拝借し、頑丈なオフロードタイヤを装着している。
その結果、トヨタRAV4とスズキ・ジムニーを丸呑みにできるようなスペースを備えた、頑丈でどこにでも行けるワゴンが誕生したのである。
ラーダは生産台数を公表していないが、ほとんどの専門家は1000台以下しか製造されなかったと考えている。2021年が静かに幕を閉じようとしている今、ターザン2はまるで存在しないかのように無名のままだ。