2021年の頂点は アリエル・アトム 4 欠点なく速い 最終審査の3台 BBDC 2021(4)

公開 : 2022.01.01 05:45

極めて走りが洗練されている

コースに留まり、流れる空気を感じる。ウエストゲートのホイッスルや、ジェット戦闘機のような加速を味わう。これに慣れたら、その先がある。

アトム 4のターボブースト圧を、オプションのレベル3に切り替える。流石にこのパワーを手懐けるには少しの時間が掛かるが、無理ではない。

アリエル・アトム4(英国仕様)
アリエル・アトム4(英国仕様)

アリエルは基本に立ち返った、純粋なスポーツカーというだけではない。オーリンズ社製のダンパーにサーキット用タイヤ、LSDや大径ブレーキといった実践性も備えている。911 GT3の3分の1という英国価格にも、訴求力がある。

だが過去3年間、アトム4がトップ3に選ばれてきた理由は、極めて走りが洗練されているからに他ならない。審査員のプライヤーが端的に印象を残す。「思った以上に良いですね」

ディスデイルは、ステアリングホイールと指先、アスファルトとの極めてクリアなつながりに触れる。「路面やグリップ力に関して、より詳細な情報を知覚することができます。まるでHDR映像のように」

「公道では減衰力特性が素晴らしい。しなやかでありつつ、タイトな姿勢制御を叶えています。調整式のサスペンションをいじれば、レースカー級の正確性や速さを得ることも可能です」

筆者も同意見。ブースト圧が標準のレベル1のままでも、公道では驚かされるほどの体験を与えてくれる。911 GT3やSF90 ストラダーレと比べても、パワー感はまったく不足ない。

トップ3による最終審査の続きは(5)にて。

記事に関わった人々

  • アンドリュー・フランケル

    Andrew Frankel

    英国編集部シニア・エディター
  • マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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