北米にマツダブーム到来? 過去最高の月販のワケ 北米で「マツダ」どう思われてる?

公開 : 2021.12.13 11:35  更新 : 2022.03.25 18:49

北米でマツダ車が過去最高の月販を記録。北米でマツダ車はどのような印象を持たれているか取材しました。

北米でマツダ車が増えている

執筆:Kumiko Kato(加藤久美子)
撮影:Hiroto Kato(加藤博人)

筆者は10月末から約1か月間、JCCS(日本旧車集会)、SEMA、LAオートショーなどの取材でアメリカに滞在した。

そのほとんどはロサンゼルスとラスベガスの滞在で、ニューヨークが4~5日であった。

北米のマツダディーラーのMX-30
北米のマツダディーラーのMX-30    加藤博人

2年ぶりにアメリカの道路をレンタカーのカローラで走りながら気づいたのは西海岸の都市でマツダ車を見かける機会がとても多かったことだ。

90年代前半からほぼ毎年、仕事や旅行でアメリカを訪れているが、マツダ車の数が明らかに増えている!

2年の間に何があったのだろうか? マツダ広報部にその理由を聞いてみた。

――今回、2年ぶりにアメリカを訪れてロサンゼルスやラスベガスでとくに多くのマツダ車を見ました。実際にどれくらい売れているのでしょうか?

「北米(アメリカ、カナダ)のマツダ販売台数は、この数年で年間合計約35万台前後を推移していますが、マツダのシェアは2016年の1.9%前後から2021年直近の数値で2.5%以上と着実に伸びています」

「また、アメリカでは2021年5月に販売台数4万2187台と過去最高の月間販売台数を27年ぶりに塗り替えました」

記録達成に大きく貢献したのがCX-30、CX-5、CX-9などのSUVで、これらの3モデルすべてが過去最高の月間販売をこの月に達成しています。

また、コロナ禍の影響で2020年はほぼすべてのメーカーがアメリカ市場において前年割れの販売台数となりましたが、テスラ(+14.9%)、アルファ・ロメオ(+1.6%)、マツダ(+0.2%)の3ブランドだけは前年プラスとなっています」

過去最高の月販 どのモデルが人気?

なんと! 肌感で「マツダ車多いなー」と思っていたら、それはきちんと数字が証明していた。

本当に記録更新するほどの売れ行きだったのだ。ちなみに、2020年にプラスになった3ブランドだが、テスラはさておき、アルファ・ロメオの方は年間販売台数がマツダとは1桁少ない。

北米のマツダディーラー。写真の赤いクルマがCX-5。
北米のマツダディーラー。写真の赤いクルマがCX-5。    加藤博人

ではそのマツダ車。アメリカでは実際にどんな車種が人気で、その理由はどのようなことだろうか?

――北米で特に人気のある車種は何でしょうか?またその理由を教えてください。

「北米のマツダ販売台数を大きく牽引しているのがCX-5で、販売台数のほぼ半分を占めています」

「その理由はデザイン、パワー、走りの良さ、パッケージや装備、価格などのすべての要素がベストバランスであり、商品改良を経て年々魅力がアップしてファン層が拡大していることにあると認識しています」

「CX-30も好調です。これはCX-5で定着してきたマツダSUVに対する高評価をベースに、CX-30は更に取り回しの良さやオンロード/オフロード両面での磨き上げられたハイパワーな走り、洗練されたデザインがとくに都市圏を中心とした顧客の志向にマッチしていると思われます」

今回、CX-5はもちろんだが、CX-30の姿もデパートやショッピングモールの駐車場で、フリーウェイでとても良く見かけた。

そしてご存知の方も多いと思うが、このCX-30にはこだわりのウィンカーが装備されている。

あの「心臓の鼓動のようなウィンカー」(ディミングターンシグナル)だ。

このような細かなギミックというか、繊細なこだわりのようなことはアメリカのオーナーたちに伝わっているのだろうか?

「とくにマツダのデザインに理解のある方には、人間の鼓動のようでマツダっぽい、生き物のようで好感が持てるという定評があります。やや細かいこだわりなのか、それほど多くのアメリカ人は気が付かれてないかも知れません」

記事に関わった人々

  • AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。
  • 加藤久美子

    Kumiko Kato

    「クルマで悲しい目にあった人の声を伝えたい」という思いから、盗難/詐欺/横領/交通事故など物騒なテーマの執筆が近年は急増中。自動車メディア以外ではFRIDAY他週刊誌にも多数寄稿。現在の愛車は27万km走行、1998年登録のアルファ・ロメオ916スパイダー。クルマ英才教育を施してきた息子がおなかにいる時からの愛車で思い出が多すぎて手放せないのが悩み。

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