驚愕 5ドアのスズキ・ジムニー発見 きっかけは「欲しい!」 無いから作った

公開 : 2021.12.15 06:05

スズキ・ジムニーの5ドアをSNS上で発見。誰が、どんな目的で作ったのか。取材しました。

SNSで発見 驚きのジムニー5ドア

SNSで驚くべきクルマを発見した。5ドアのスズキ・ジムニーである。

正確にはスズキ・ジムニー・シエラのカスタムカーだ。

5ドアとなるスズキ・ジムニー・シエラ(カスタムカーの完成イメージ)
5ドアとなるスズキ・ジムニー・シエラ(カスタムカーの完成イメージ)    有田勇也(@nats_castomize_arita)

ジムニー・シエラは、スズキの軽自動車であるジムニーの登録車バージョン(系ではなく白い普通車ナンバー)

ボディは軽自動車と同じ3ドアが基本。というか他のボディはない。つまり3ドアしかないのだ。

ところがSNSで公開された写真は、しっかりと後ろ側のドアも存在している。

どういうことなのか、さっそくSNSの本人に問い合わせてみた。

みずからの愛車を生徒がカスタム

SNSの主は、有田勇也さん。プロフィールには「日本自動車大学校カスタマイズ科講師の有田です」とある。

ここでピンと来た人もいるだろう。

後部2ドア可する為に前後にカットしたスズキ・ジムニー・シエラ。
後部2ドア可する為に前後にカットしたスズキ・ジムニー・シエラ。    有田勇也(@nats_castomize_arita)

有田さんは、日本自動車大学校という学校の先生である。日本自動車大学校は、千葉県にあって通称「NATS(ナッツ)」とも呼ばれる自動車整備士の養成学校だ。

そしてカスタマイズ科というのは、文字通りにクルマのカスタマイズを学ぶところだ。

NATSのカスタマイズ科といえば、年に一度のカスタムカーの祭典である「東京オートサロン」に、生徒の手によるカスタムカーを毎年出展している。

つまり、SNSに公開されている5ドアのジムニーは、東京オートサロンに出展するためにNATSのカスタマイズ科で制作されている車両であったのだ。

実は東京オートサロンには、NATSのように生徒の手によるカスタムカーを出展する自動車大学校は少なくない。

プロの手による製品とは、また違ったユニークな学生によるカスタムカーは、東京オートサロンの見どころの1つでもあるのだ。

欲しい、きっかけ 無いなら作る

「もともと、インターネット・ニュースで、『ジムニーの5ドアが開発されている?』というスクープ記事を読みまして」

「発売されるのであれば欲しいなと思っていたんですよ」

前後に切った屋根を繋ぐ。黄色い部分はパテ。
前後に切った屋根を繋ぐ。黄色い部分はパテ。    有田勇也(@nats_castomize_arita)

「でも、なかなか出てきません。それならば、と思って、学校(NATS)の生徒に話を持ち掛けて、5ドアのジムニーを作ろうということになりました」と有田さん経緯を説明する。

ちなみにジムニー・シエラは、有田さんの個人車であり、それを7名の学生たちがカスタム化する。

ホイールなどの装着する部品のチョイスも学生がおこなっているという。

「ジムニー・シエラは4月に中古車で手に入れました。最初は普通に、遊び/通勤と、ノーマルのジムニーシエラを堪能していたのですが、わたしの性格が目立ちたがり屋なもので、他とは被らない世界に1台のジムニーを造りたいと思い今回車両を提供することにしました」

「車両を準備していただいた会社の社長には『あなたは正気なのか?』と笑われました」と有田さん。

「難しいのはドアですね。ゼロから作らないといけませんし、動くものなので、ちゃんと開け閉めできないといけません」

「けっこうな時間がかかっています」と有田さん。

夏頃からカスタムはスタート。作業は授業中におこなうのを基本とするのもの東京オートサロンの開催日は決まっているため(2022年1月14~16日)、徐々に時間が足りなくなる。

結果、放課後や土曜日曜日にも作業がおこなわれているという。また、NATSのカスタムマイズ科として、今年は4台を制作中だそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    鈴木ケンイチ

    Kenichi Suzuki

    1966年生まれ。中学時代は自転車、学生時代はオートバイにのめり込み、アルバイトはバイク便。一般誌/音楽誌でライターになった後も、やはり乗り物好きの本性は変わらず、気づけば自動車関連の仕事が中心に。30代はサーキット走行にのめり込み、ワンメイクレースにも参戦。愛車はマツダ・ロードスター。今の趣味はロードバイクと楽器演奏(ベース)。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事