世界の高回転エンジン 17選 搭載車種を写真で紹介 歴史に残る名車たち

公開 : 2021.12.17 06:05

ホンダS2000 – 8900rpm

スーパーカーでなくとも、目の回るようなレブリミットを楽しむことができるのがホンダS2000だ。1999年、ホンダの50周年記念に発売されたS2000は、当時世界最高水準のリッターあたり125ps(合計250ps)の自然吸気エンジンを搭載。このパワーを得るためにはエンジンを酷使しなければならず、8900rpmまで回す喜びを知れるのはこの時だ。

これだけのパワーと高回転域の楽しさは、ホンダの可変バルブタイミング機構「V-TEC」によって実現された。しかし、2004年にホンダは耐久性を考慮してピーク回転の上限を8200rpmに下げたため、それまでに比べてやや平凡な印象を受けるようになった。

ホンダS2000 - 8900rpm
ホンダS2000 – 8900rpm

フェラーリ458 – 9000rpm

2009年、F430の後継モデルとして登場した458は、世界に大きなインパクトを与えた。スタイリングだけでも十分に素晴らしいものだったが、フェラーリは先代モデルとの違いを明確にするため、4.5L V8に570psを発揮させ、9000rpmという驚異的なレッドラインを設定したのだ。

458がトップギアでピーク回転に達した場合、速度は325km/hに達する。モーターの高速回転を助けるために、ピストンにはグラファイトコーティングが施され、摩擦を抑えてシリンダーの上下運動を滑らかにしている。

フェラーリ458 - 9000rpm
フェラーリ458 – 9000rpm

レクサスLFA – 9000rpm

LFAは、レクサスの技術力とブランドを世界に知らしめるべく、コストを惜しまずに開発された。その心臓部には、9000rpmまで回る4.8L V10エンジンが搭載されている。このエンジンの回転は素晴らしく速く、6速トランスミッションで変速するたびに回転数が激しく変化するため、アナログ式では追いつかず、デジタル式のレブカウンターを使用しなければならなかったほどだ。

最高出力560psを誇り、LFAにのみ搭載されているが、このエンジンはヤマハとの共同開発によるものだ。二輪車で培った高回転型エンジンのノウハウを活かし、コンロッドやバルブにチタンを使用することで軽量化を実現した。また、同排気量のV8に比べてピストンを小型化・軽量化するためにV10を採用しているのもそのためだ。

レクサスLFA - 9000rpm
レクサスLFA – 9000rpm

ポルシェ991型911 GT3 – 9000rpm

GT3は、ポルシェ911シリーズの中でも最も魅力的なモデルの1つであり、ドライブのたびに感覚が刺激されるクルマだ。その理由のほとんどは、4.0Lエンジンが9000rpmまで回転することにある。ピークパワーは8400rpmに達するので、それ以上回す必要はないが、その音につられて毎回レッドラインに到達してしまう。

911 GT3がレースで鍛えられた血統であることは、エンジンの仕様を見れば一目瞭然で、カップのコンペティションカーにも近い。GT3は、ポルシェのモータースポーツ部門がレーシングカーと同じ生産ラインで製造している。

ポルシェ991型911 GT3 - 9000rpm
ポルシェ991型911 GT3 – 9000rpm

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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