世界の高回転エンジン 17選 搭載車種を写真で紹介 歴史に残る名車たち

公開 : 2021.12.17 06:05

ローバー・ジェット1 – 5万6000rpm

市販化には至らなかったが、ローバー・ジェット1は1950年代の英国自動車産業の可能性を垣間見せる魅力的なモデルだった。航空界ではジェットエンジンが文字通り離陸しつつあったが、ローバーはこれをクルマに応用し、P4をベースにガスタービンエンジンを搭載したジェット1を製作したのである。

エンジンは2軸タービンで、それまでのローバーの中で最高の147psを発揮した。0-97km/hは11.0秒で、当時としては非常に速いものであった。5万6000rpmまで回転するこのエンジンに刺激を受けたローバーは、BRMと共同で6万5000rpmのタービンエンジンを搭載するル・マン・レーシングカーを開発したが、こうした開発から市販車が誕生することはなかったのである。このプロトタイプは現在、ロンドンの科学博物館に展示されている。

ローバー・ジェット1 - 5万6000rpm
ローバー・ジェット1 – 5万6000rpm

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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