トヨタ「MR2」の後継? 2シーターのEVスポーツカー世界初公開 コンセプトを読み解く
公開 : 2021.12.15 05:45
見た目はほぼ市販車! 新型レクサスRZ
2022年前半に登場するレクサスの新型EVは、「RZ」と呼ばれる流麗なパフォーマンス志向のSUVになる。
ほぼ市販車に近い状態で披露されたRZは、e-TNGAプラットフォームをベースに、「運転体験を次のレベルに引き上げる」ことを目的とした味付けが施されている。既存のNXと同じようなサイズであり、視覚的にも近い関係にある。
レクサスの欧州副社長パスカル・ルーシュは、AUTOCARに対し、ブランドの優先課題は「爽快なドライビング・パフォーマンス」の提供であるとし、「ブランドのスポーティなポジションをサポートする」という新型EVの導入を示唆している。
RZは、完全可変4輪駆動システムとステアバイワイヤ技術を搭載し、「驚異的なコーナリングと路面追従性」を実現するとのこと。「軽量かつコンパクトなモーター」、「ボディ剛性の向上」、「レクサス独自の完全可変4輪駆動技術、ダイレクト4」など独自の作り込みにより、「魅力的で走りがいのある体験」の提供を目指している。
ダイレクト4は、各車輪への動力供給を素早く配分し、状況に応じて前輪・後輪・4輪駆動を瞬時に切り替えることができる。レクサスは、将来のすべてのEVにこのシステムを採用しようとしている。
RZはSUVらしいプロポーションを持ちながら、比較的車高が低いように見える。また、コンセプト「LF-Zエレクトリファイド」で採用された新しいデザインの数々も継承している。
レクサスの可能性を体現 LFAの精神的後継
レクサスは、LFAの精神的後継モデルとして、2030年までに発売予定の電動スーパーカーを開発している。
レクサスは2030年までにすべてのセグメントでEVを販売し、中国、欧州、北米では完全電動化を実現し、2035年にはICE車の販売を終了する予定だ。
このコンセプトは、「LFAの開発を通じて作り込んだ走りの味、すなわち『秘伝のタレ』を継承する次世代のバッテリーEVスポーツカー」と説明されている。
このクルマの開発で得られた経験は、他のレクサスEVにも生かされ、ブランドのダイナミックさを強調することになるだろう。
レクサスのチーフ・ブランディング・オフィサーである佐藤恒治氏は、「バッテリーEVであっても、走りの味を追求していく姿勢は変わりません。その終わりのない追求は、今後スポーツ・バッテリーEVの開発を通じて、次のステージに向かっていきます」と述べている。
レクサスは、0-100km/h加速のタイムを「2秒台前半」、航続距離を「700km以上」にすることを目標としている。また、全固体電池を早期に導入する可能性がある。
このコンセプトモデルは、現在販売されているレクサスのどのモデルとも似ておらず、EVでありながら長いボンネットを持ち、キャビンとリアの間に特徴的なシルエットを持っている。また、空力に特化しているであろうパーツの数々、エアインテーク、ロープロファイルタイヤ、そしてフロントには赤い牽引用ストラップが装着されており、サーキットでの使用を想定していることが伺える。