【現実の環境でテスト】ポルシェ・タイカン・ターボS 一般道/高速道路/峠道で検証
公開 : 2021.12.19 12:10
さすがのポルシェ・クオリティ
さて、ようやくポルシェ・タイカンの試乗である。
少なくとも2週間続けて使用したい、という条件で貸し出しをお願いしていて、ようやく、12月の上旬に試乗することができた。
車種はタイカン・ターボSで、純白のキャララホワイトメタリックの外装、レザ・フリーの素材を使用したブラックの内装色をまとい、消費税込みの価格は2812万1000円であった。
その内訳は、車両本体価格が2454万1000円(消費税込み)で、固定式パノラミックガラスルーフなど、21項目のオプションを装備し、その合計が358万円となっている。
現時点では、おそらく最も高額なEVの1台だろう。
現車がガレージに到着したのは12月2日の午後で、キーを持ってクルマに近づくと、すぐにドアノブが開き、そのまま乗り込めばスタートが可能となる。
この時のオドメーターの数値は1万7117km、充電状態は91%で、走行可能距離は330kmであった。
念のため、車載のケーブルを使用して自宅のコンセントにつなぎ、200V、充電能力50%に抑えて、充電を開始してみる。
すると、フル充電までの時間は5時間ほど、試しに瞬間的に100%にしてみると2時間半ほどであった。
無論、EVの場合、常にフル充電にしなければならないという訳ではないが、一応、目安としてフル充電までの時間を記しておくことにする。
しかし、たったこれだけの作業を行っただけで、ポルシェのクオリティの高さに感心した。
コンセント類はゆるぎなくかっちりと接続できるし、すぐに間違いなく充電を開始して数値も正確に出る。ドアの開閉のタッチもスムースで、その洗練度合いは、正に、私が20代の頃、初めて、356 SCに乗ってポルシェのクオリティの高さに感激した時と同じ感覚が蘇ってきたのである。
ファーストライド 154kmで59%消費
翌朝には、100%充電が完了し、走行可能距離は360kmと表示されていた。
仮に私が購入するのならオプションのパフォーマンスバッテリープラス(2デッキ)を組み込んで、走行距離をあと100kmほど伸ばしたいと思う。
シートベルトを装着し、シフトをDにしてアクセルを踏み込めば、恐ろしく静かに、あっけなくスタートする点は、どのEVも同じである。
走行モードは、レンジ/ノーマル/スポーツ/スポーツ・プラスの4段階があるが、まずはノーマルでスタートする。
全長4965mm、全高1380mm、全幅1965mmのサイズは、パナメーラよりも一回り小さく取り回しは気にならない。
慣れたところで、スポーツ、スポーツ・プラスと切り替えてゆくと、足が引き締まり明確に違いが判る。
特にスポーツ・プラスでは、モーター音もたかまり、かなりごつごつとした乗り心地になる。
この日は、都内を50kmほど走行した後、そのまま甲府に向かう。中央道で、ポルシェらしい走りをするには、スポーツ・モードがお勧めで、回頭性もよくロールも僅かで実に楽しい。
スピードを上げても、僅かな風切り音とタイヤのロードノイズだけで、極めて静粛であり、コーナーでも、フロントウインドウ両端に見えるフェンダーの峰がガイドとなってとても走りやすい。
更に90km/h以上では車高が10mm下がるため、一層安定する。ターボSの0-100km/hが僅か2.8秒という途轍もない性能をフルに発揮しなくても、十分以上に速く、コーナーの多い中央道をすいすいと走る。
東京-甲府間は、もともと高度差があり勾配も多いので電力消費は多いが、甲府に到着した時の走行距離は154kmで、バッテリー残が41%、走行可能距離は134kmに減少していた。やはり、勾配ではかなりの電力消費となってしまう。
甲府では、まだ、ポルシェのスタイリッシュな充電装置は付いていないので、従来から設置している3kWの充電器で17時から充電を行う。
フル充電完了の時刻は、翌日の11時と表示されていた。おそらく、8kWなら、半分以下で済むだろう。
2日間の甲府滞在の後、今度は、フル充電状態で川崎に向かう。スタート時の走行可能距離は353kmであったが、114km走行後の残距離は202km、61%の充電量であった。
やはり、スポーツモードでポルシェらしい走りをすると、下りといえども消費量は増加傾向のようだ。この日は、夜20時24分に充電を開始した。