(一応)フェラーリ初EV 3/4サイズの250テスタロッサ試乗 ホビー用とは思えぬ価格と品質

公開 : 2021.12.25 11:50

299台の意義深い存在

これは金持ちの道楽か、彼らのもとに生まれた恵まれたティーンエイジャーがクリスマスや誕生日に与えられるプレゼントといった感じで、われわれ庶民には縁がないシロモノだ。しかしそれは、そのルックスやすばらしいクオリティに魅了され、オリジンをスケールダウンしながら忠実に再現しようとした努力に驚くことまで否定するものではない。

生産台数はたったの299台で、ラ・フェラーリよりも希少だ。すでに半数が売約済みで、完売は間違いなさそうだ。となれば、このテスタロッサJには、そのとんでもない価格に見合った価値があると言っていいのだろう。

庶民が趣味で手に入れるには高価すぎるが、すでに生産予定数の半分が売れているという。しかし、製品そのもの以上に、開発の経緯や注ぎ込まれた情熱に興味を惹かれる。
庶民が趣味で手に入れるには高価すぎるが、すでに生産予定数の半分が売れているという。しかし、製品そのもの以上に、開発の経緯や注ぎ込まれた情熱に興味を惹かれる。

とはいえ、個人的にもっとも興味をそそられたのはそこではない。リトルカー・カンパニーがこのアイデアを発案し、フェラーリがそれに賛同したこと、そして、目的はどうあれ、彼らが共同で驚くべきクオリティのなにかを作り上げたということだ。それにまつわるすべてが、誇るに値するのである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    アンドリュー・フランケル

    Andrew Frankel

    英国編集部シニア・エディター
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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