11月の欧州新車販売ランキング トップ10 生産追いつかず総登録台数は過去30年で最低
公開 : 2021.12.21 19:05
11月の欧州自動車販売台数は約85万台と、前年比18%減を記録。供給不足の中で売れ続けたモデルとは?
もくじ
ー半導体と新車在庫不足で不調続く
ー1. ルノー・クリオ:1万6353台 -13%
ー2. ダチア・サンデロ:1万6263台 +6%。
ー3. プジョー208:1万6261台 -7%。
ー4. プジョー2008:1万6169台 +9%
ー5. フォルクスワーゲンTロック:1万5234台 +5%
ー6. フィアット500:1万3255台 +2%
ー7. オペル/ヴォグゾール・コルサ:1万2831台 -30%
ー8. シトロエンC3:1万2455台 +5%
ー9. ヒュンダイ・ツーソン:1万2408台 +104%
ー10. ダチア・ダスター:1万2351台 +3%
半導体と新車在庫不足で不調続く
欧州の自動車販売台数は縮小を続けており、11月の登録台数は過去30年間で最低となった。
自動車産業調査会社のジェイトー・ダイナミクスによると、欧州市場における11月の総登録台数は前年比18%減の85万5281台となり、この減少の原因はやはり半導体と新車在庫の不足にあるとしている。
ジェイトー・ダイナミクスのグローバルアナリストであるフェリペ・ムニョス氏は、次のように述べている。
「市場はパンデミックから完全に回復したわけではありませんが、現在の問題は需要不足ではなく、むしろ供給不足に関連しています。半導体不足と今年のロックダウンを合わせて考えると、消費者のクルマの更新は明らかに滞っています」
「この遅れは主に2つの影響を及ぼす可能性があります。1つは、不足が解消されれば来年は登録台数が大幅に増加すること。もう1つは、消費者の購入パターンが変化し、クルマを長く維持する方向に向かうことです」
一方、電動車両保有台数は引き続き増加し、11月は月間新記録を達成した。BEVとPHEVの合計登録台数は18万1300台で、市場シェアは22.9%となっている。しかし、ディーゼル車は苦戦を続けており、欧州市場全体の19%にとどまった。
「このような環境下で新車を購入する場合、さまざまなキャンペーンや補助金が用意されていることを考えると、EVはさらに身近な存在になっていくでしょう」とムニョス氏。
低排出ガス車の登録台数は21万7709台となり、全体の26%を占め、ディーゼル車よりも41%多い。
車種別に見ると、11月はルノー・クリオ(日本名:ルーテシア)が首位を獲得し、ルノー・グループとステランティスが再びトップ5を独占する結果となった。
販売上位10車種を見てみよう。
1. ルノー・クリオ:1万6353台 -13%
11月の販売台数は前年同月比13%減となったものの、1万6353台でトップに躍り出た。欧州仕様のクリオは今年初め、1.6Lのガソリンエンジンと2基の電気モーターを搭載する新しいハイブリッドモデルが登場した。
2. ダチア・サンデロ:1万6263台 +6%。
ルーマニアの自動車メーカー、ダチアが販売するサンデロは、最近値上げが発表されたものの、英国では依然として最も安いクルマとして知られている。スタイリッシュな外観を持ち、LEDヘッドライトや上位のインフォテインメント・タッチスクリーンなど、プレミアム感を演出する装備もいくつか備えている。
最新のルノー・クリオと同じプラットフォームを採用しており、その手頃な価格が成功の要因であることは間違いないだろう。