ベントレー・コンチネンタルGT コンバーチブル 英国のリビエラを巡る休日 前編
公開 : 2021.12.31 13:45
遠くで聞こえるV8ツインターボ・エンジン
ペイントンの人々が、コンチネンタルGT コンバーチブルを駐車しようとしている筆者を笑顔でチラ見していく。じっくりボディを一周眺めた後に、驚くほど丁寧に写真を撮影していいか聞いてくる人もいる。そんな対応がうれしい。
英国の南西の海岸まで、柔らかなレザーで仕立てられたインテリアに包まれて来た。ダイヤモンド柄のキルト加工が施された上質なシートに座り、ベントレーのV8ツインターボ・エンジンの唸り声を、遠くに聞きながら。
フロントガラスの上を流れていく風が、優しく筆者の髪を撫でる。平穏で優雅に、海岸線を走る。
といっても、やはり本場のフランスには敵わない。ペイントンの景色は安っぽい。英国のリビエラを華やかに見せるかと思ったコンチネンタルGTだが、かえってこの街のつまらなさを強調してしまったようだ。まあ、写真は美しく撮れたようだが。
少なくとも、ペイントンへ四半世紀ぶりに戻ってきた筆者を、この街の人は歓迎してくれているようだった。幸せな気分になった。
筆者はラグジュアリーなコンバーチブルが似合う人物だとは思っていない。確かに個人的にオープンカーを乗り継いできたが、手頃で遅いクルマばかりだった。シトロエン2CVの巻取り式ソフトトップを、筆者ほど開いて運転している英国人も少ないと思う。
この続きは後編にて。