ドイツが生んだ史上最高の名車 31選 前編 VWビートルから「イエローバード」まで
公開 : 2021.12.25 18:05 更新 : 2021.12.25 21:45
フォード・プーマ
1997年にケルンで発表されたプーマに、フォードは熱を上げた。フィエスタをベースとしながらも、卓越したハンドリングを実現し、1.7Lの軽快なエンジンが楽しさを倍増させている。このエンジンはヤマハの協力のもと、シリンダーヘッドを設計し、高回転と125psの出力を実現した。
30psアップの155psを発揮するエンジンを積んだプーマ・レーシングは、フォードのレーシング部門が開発したハンドリングが特徴であった。
フォード・シエラ
「コスワース」の名が付くものはすぐに注目を集めるが、スタンダードなフォード・シエラは見過ごされがちである。その滑らかなスタイリングはコルティナとは根本的に異なるものだが、メカニズムの類似性は明白だった。ワゴン、セダン、ホットハッチ、4輪駆動車などがラインナップされ、販売台数は344万台となった。
シエラのスタイリングを担当したのは、ルノー・トゥインゴ、メガーヌ、ヴェルサティス、アヴァンタイムを手がけたパトリック・ルケモンである。
メルクス
創業者ハインツ・メルクスは、東ドイツの共産主義政権下で流麗なRS1000クーペを製造し続けた。その功績は大きい。ヴァルトブルクに搭載されていた1.0L 3気筒2サイクルエンジンを使い、101台のRS1000を製造し、さらに同じメカニカルベースを使ってシングルシーターのフォーミュラ・ジュニアも製造している。
1986年に生産を終了したメルクスは、2006年にハインツの息子ペーターによって再興され、2009年から2012年にかけてRS2000を販売している。
メルセデス・ベンツAクラス
初代メルセデスAクラスは、発売当時はどこにでもあるような存在だったが、それゆえいかに重要なクルマであるかが見えづらい。フォード・フォーカスやフォルクスワーゲン・ゴルフに対抗して、メルセデスが初めて小型ハッチバック車に参入したのである。
初代Aクラスは7年間で140万台を販売し、大きな成功を収めた。衝突時に乗員の足腰を守るため、エンジンをキャビンの下に配置するサンドイッチ構造のフロア設計を採用し、高い安全性を実現した。
メルセデス・ベンツEクラス
一時期、メルセデス・ベンツの世界販売台数の5台に1台を占めていたEクラス。現在でも非常に重要なモデルだが、1980年代後半のW124型ほどメルセデスを象徴するモデルはない。その品質と信頼性は伝説的であり、この世代のEクラスが今でも世界中で多く使われている理由でもある。
また、W124をベースにしたクーペやコンバーチブルも登場し、現在も続く「洒落たEクラス」のトレンドを作り出した。