トヨタGR86 3度目の試乗 サーキットの気持ち良さ、公道でも同じ?
公開 : 2021.12.30 17:45 更新 : 2021.12.30 19:37
「スポーツカーを作っていますから」
袖ヶ浦FRWでは少し深めにステアするだけでリアタイヤの軌跡が微かに膨らみ、「FRってこうじゃなきゃ!」と運転好きを唸らせるハンドリングを披露してくれたGR86。
今回は山道なのでペースこそ違うが「キレッキレ」の片鱗はひしひしと感じられた。
ステアリングの入力に対しクルマ全体が反応し、ロールとコーナリングフォースがすっきりと高まっていく。挙動変化を乗り手に伝える能力が高いので、例えばブラインドコーナーの進入でも乗り手の気持ちに余裕が生まれる。
キレッキレといっても敏感過ぎる感じではないので、慣れてしまえば普段使いでストレスを感じることはないだろう。
「速さ」は一部のドライバーにしか恩恵がないかもしれないが、伝える能力の高さは、ドライビングの楽しさ全般に波及するので全てのドライバーに歓迎されるはず。
それでも乗り心地だけは気になったので、エンジニア氏に聞いてみた。さすがに硬すぎませんか? と。
最初は「そうですかねぇ?」と認めなかったが、最後は「でもわれわれはスポーツカーを作っていますから」と腹を括ったような一言をくれた。
スポーツカーの純度を徹底的に高めれば、普通のセダンみたいな風にはいきませんよ、ということだろう。
それこそ「80点主義」と言われたクルマ作りを脱し、尖らせたい部分をちゃんと尖らせた結果なのだろう。
BRZとGR86の2台を比べると、オールマイティにできているのはBRZの方。しっかり試乗しないと答えが出せない2台だ。
トヨタGR86 RZのスペック
価格:361万2000円
全長:4265mm
全幅:1775mm
全高:1310mm
ホイールベース:2575mm
車両重量:1270kg
パワートレイン:水平対向4気筒2387cc
最高出力:235ps/7000rpm
最大トルク:25.5kg-m/3700rpm
ギアボックス:6速マニュアル