BMW i4 eドライブ40 Mスポーツへ試乗 純EVへの移行を後押し 339psの後輪駆動
公開 : 2022.01.04 19:05
従来的サルーンのフォルムをまとうi4。内燃エンジン車からの乗り換えを後押しできると、英国編集部は評価します。
もくじ
ーグランクーペ風の4ドアサルーン
ー航続距離590km 0-100km/h加速5.7秒
ーおなじみの着座姿勢に巨大なモニター
ーBMWらしいペダルやステアリングの反応
ーBMW i4 eドライブ40 Mスポーツ(欧州仕様)のスペック
グランクーペ風の4ドアサルーン
BMWが小型ハッチバックの純EV、i3を発表したのが2013年。長い間をおいて、中型サルーンのi4が姿を表した。
純EVへ早期に取り組んでいたBMW。だが、テスラやポルシェ、メルセデス・ベンツといったライバルに少し遅れるかたちでi4が投入されるに至ったのは、i3のほろ苦い経験だったようだ。
先進的で斬新なコンパクトカーといえたi3は、期待通りの成果を得られなかった。同時期に発売された、ハイブリッド・スーパーカーのi8も。それを踏まえてなのか、i4は技術的にもスタイリング面でも、それらとは異なるベクトルが与えられている。
純EV専用プラットフォームを開発するかわりに、i4の基礎に選ばれたのは実績あるプラットフォームの改良版。現行の3シリーズや4シリーズも採用しているものだ。
スタイリングも、どちらかといえば従来的なデザイン処理が与えられた、グランクーペ風の4ドアサルーン。スポーティで見慣れた印象を受ける。BMW好きにとっても訴求力があると思うし、サイズやプロポーションも理想的だ。
欧州の場合、BMWの中型サルーンの主な需要は、会社からの貸与車両を中心とするビジネスユーザー。内燃エンジンからのスイッチに対しても意欲的で、このブランドの純EVサルーンを歓迎する人も多いだろう。
そんなユーザーは、過度に斬新なデザインを望んではいない。i4なら大丈夫そうだ。
航続距離590km 0-100km/h加速5.7秒
BMW i4は、内燃エンジンを搭載する現行の3シリーズよりひと回り大きい。全長4783mm、全幅1852m、全高1448mmで、トレッドも広い。容量80.7kWhの駆動用バッテリーの多くがフロア下に並べられており、重心高は低い。
写真で見る以上に、3シリーズとi4との見た目の印象は大きい。ボディサイドにライトブルーのアクセントが長く伸び、電動であることを主張する。
フロントマスクは、純EV SUVのiXに似た8角形の縦に長いキドニーグリルが据えられ、その両サイドをスリムなLEDヘッドライトが引き締める。内燃エンジンほど冷却性能は求められないため、フロントグリルにはカバーが掛けられ、カメラが埋め込まれている。
英国で提供されるi4は、2グレードでの展開となる。トップグレードがツインモーターで合計544psの最高出力を発揮する、四輪駆動のM50。こちらには以前AUTOCARで試乗している。
そして今回試乗した、車重が少し軽くシングルモーターで339psを発揮する、後輪駆動のeドライブ40だ。BMWらしく、Mスポーツも指定できる。
純EVとしてスペック表で最も目を引く数字が、WLTP値で590kmという長い航続距離。M50より英国価格は9500ポンド(約144万円)も安価でありながら、0-100km/h加速は5.7秒と充分鋭い。こちらの方に人気が集まることは想像できる。
BMWは、eドライブ40の最高出力を自社の最もパワフルな直列6気筒ディーゼルに並ぶ、と主張している。それにも疑問はないだろう。