クルマのサブスクリプション メリット/デメリット 現金一括/ローンから変化
公開 : 2021.12.30 08:25
サブスクリプションのメリットは
「店舗に行かずとも、オンラインでクルマが手に入る」というのは、ディーラーへ出向くことに抵抗を感じていた層には魅力的に見えたはずだ。
また、オンライン販売の市場は、2010年の約7兆7880億円から2019年の19兆3609億円まで、9年間で約2.5倍にまで増加している(経済産業省「電子商取引に関する市場調査の結果」より)。
これほどオンライン販売が伸長している中で、クルマの販売だけが旧態依然のままで許されるわけはないだろう。
また、KINTO ONEやHonda ONには、他にもメリットがある。
一番に大きいのは、クルマに関わるコストが一元化されていることだ。
クルマの維持にかかるコストは、税金やメンテナンスなど多岐にわたる。慣れていない人であれば、年間でどれほどの費用が必要なのかを把握しにくい。
しかし、サブスクリプションであればシンプルそのもの。
また、5年や7年といった長期プランを選択すれば、月々の負担が小さくなる。そして、途中解約も可能だ。
クルマという重い財産を所有するよりも、サブスクリプションとして利用するときだけ払うという、軽快な気分でクルマに乗ることができる。
この軽快さもサブスクリプションならではのメリットだろう。
また、特にトヨタのKINTO ONEは任意保険も費用に含まれている。任意保険は若年層ほど高いのが常識であるから、任意保険込みのKINTO ONEは、当然、若年層にとってはお得感が高いことになる。
これも若年層を獲得できた大きな理由だろう。
サブスクリプションに向かぬ人も
一方、サブスクリプション方式にはデメリットも存在する。それは「サブスクに向いていない人」がいるということだ。
それはクルマを「最終的に返却するのが基本」というサブスクリプションならではの特性にある。
最終的にクルマを返却するのだから、「クルマをカスタムしたい」という人や「走行距離が多い」という人には向いていない。
カスタムしたら、最後には元に戻さなければならない。走行距離が多すぎると、契約以上に走った分だけ費用を余分に請求される。
また、愛犬などペットをクルマに載せると、抜け毛などでシート類が汚れてしまうもの。
そのためKINTO ONEではペットを載せるのはNG。ちなみに車内での喫煙もNGだ。
カスタムしたり、走行距離が多かったり、ペットを載せたい、喫煙者にはサブスクリプションは向いていないのだ。
また、現在のところサブスクリプションで用意される車種も限られている。それ以外の車種に乗りたいという人にはサブスクリプションの利用はできないという現実もある。
とはいえ、クルマのサブスクは、クルマの購入方法の選択肢を広げているのも確か。
始まったばかりのサービスだが、この先も利用は拡大していくことはず。
次にクルマを購入するときは、ぜひとも選択肢の1つとして検討してみるべきだ。