2021年に開通 “見逃せない”高速道路・有料道路 3選 絶景の富士山も

公開 : 2021.12.30 20:45  更新 : 2021.12.30 23:10

経済が変わる? 中部横断道 山梨~静岡が全通(8月)

中部横断自動車道は、中央自動車道の「双葉JCT」から新東名高速の「新清水JCT」を結ぶ延長74.3kmの工事を進めていた自動車専用道路だ。

このうち「双葉JCT」~「六郷IC」間の33.7kmと「富沢IC」~「新清水JCT」の27.4kmはNEXCO中日本が施工し、「六郷IC」~「富沢IC」間の28.3kmは国土交通省が施工していた。

静岡県の清水エリアから、山梨県の甲斐・甲府エリアまで高速道路で南北に移動できる中部横断道の「山梨県」~「静岡県」間(延長74.3km)がついに全線開通。図は農産物の海外輸出への影響を示している。
静岡県の清水エリアから、山梨県の甲斐・甲府エリアまで高速道路で南北に移動できる中部横断道の「山梨県」~「静岡県」間(延長74.3km)がついに全線開通。図は農産物の海外輸出への影響を示している。    NEXCO中日本

8月29日、未開通だった「南部IC」~「下部温泉早川IC」間の13.2kmが開通したことで、中部横断自動車道の山梨県~静岡県の区間が全通。

今回の開通で中央道の「双葉JCT」~新東名の「清水JCT」~東名の「清水JCT」が高速道路で直結した形となる。

これにより、山梨県庁から静岡県庁まで、今までは国道52号線を利用して165分かかったが、中部横断自動車道を利用すれば95分に短縮された。

輸出の促進 雇用創出

中部横断自動車道の双葉JCT以南が開通したことによる見逃せないメリットは、なんといっても経済効果。

例えば、モモ・ブドウのブランド力が高い山梨県から、国際拠点港湾である清水港へのアクセスが向上するので、海外輸出の促進が期待される。

中央高速を利用して山梨県から東京港・横浜港まで輸送する場合、渋滞・港における待機時間を含めると約180分を要するという調査結果がある(高速80km/h、一般道40km/hで算出)。

これが中部横断自動車道で清水港に向かうと、約100分で済む計算だ。

それ以外にも、沿線への新たな企業立地・地域雇用の創出、富士山を囲む広域周遊観光ルートを活かした観光振興などが期待される。

番外編 東関道の一部、制限速度が110km/hに(12月)

開通情報ではないが、東関東自動車道(東関道)の「四街道IC」付近~「成田JCT」付近の区間において、12月1日から最高制限速度が110km/hに引き上げられた。

日本の高速道路の法定最高速度は100km/hが上限だったが、2019年3月から新東名の静岡県内や東北道の岩手県内の一部区間で制限速度が試験的に120km/hに引き上げられ、東北道では2020年9月から、新東名では同年12月から正式に引き上げられている。

東関東自動車道のイメージ図。「四街道IC」付近~「成田JCT」付近で試験的に制限速度を引き上げる。
東関東自動車道のイメージ図。「四街道IC」付近~「成田JCT」付近で試験的に制限速度を引き上げる。    NEXCO東日本

今回、制限速度が110km/hに引き上げられたのは、東関道の「四街道IC」付近~「成田JCT」付近の区間。下りは約18.5km、上りは約20kmに渡るエリアだ。

この区間は、片側3車線で直線か緩やかなカーブで構成。死傷事故の発生率が低いことから、千葉県警察本部は約1年間、試験的に制限速度を引き上げる形を採った。

この試験期間中に事故の発生率が上がらなかったり、スピード違反などの件数が増えなかったら、前述の東北道や新東名の一部区間と同様に、制限速度を120km/hに引き上げる予定だという。

なお、制限速度が110km/hとなる対象車両は、高速道路における法定最高速度が100km/hとなっている車両のみ。

80km/hに制限されている大型貨物車、三輪の自動車、牽引車などは対象外なので、いままでどおり80km/hで走行しなければならない。

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