アウディeトロンGTクワトロ試乗 ポルシェ・タイカンと比較して浮き上がるブランドの個性
公開 : 2022.01.03 06:45
作り込まれた個性は2022年的?
先の「あれはアウディ、こっちはポルシェ」を補足しておくと、eトロンGTの見た目や感触は既存のアウディの延長線上。
つまり「2022年のアウディ」くらいの感覚だ。
対するタイカン・ターボSは2030年製のポルシェ(?)くらいの未来感を帯びている。
ブランドのみならず時代感覚も含めて、両ブランドのBEVのテイストは違っているのである。
例えばプラットフォームを共有するQ5とマカン、そしてA7スポーツバックとパナメーラよりも差が大きく、それぞれのブランドの性格に忠実なのである。
RSではなくもちろんタイカンではない今回のeトロンGTを買うメリットは日常性なのだと思う。
個性が気に入ってアウディを乗り継いできたオーナーが次の愛車として選んでも、生活にすんなり溶け込むはず。
充電の関係で長距離ドライブが少し計画的なものになることはあるかもしれないが。
筆者が考える最も完成度が高いBEVは、これまではダントツでタイカンだったのだが、今回そこに僅差でeトロンGTも名を連ねることになった。
バッテリーの配置とモーターの特性により個性を発揮しにくいBEVだからこそ、メーカーは個性の再現に注力するということは以前からいわれてきていた。
eトロンGTはまさにその好例といえる。
車重や操作系が少し重めに感じる点も、最高のアウディ感の演出に効いている。
日本における納車がずいぶんと先になるという状況も頷ける。
アウディeトロンGTクワトロのスペック
価格:1399万円
全長:4990mm
全幅:1965mm
全高:1415mm
最高速度:-
0-100km/h加速:4.1秒
航続距離:534km
電費:200Wh/km
車両重量:2280kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
バッテリー:93.4kWh
最高出力:530ps(390kW)
最大トルク:65.3kg-m
ギアボックス:1速(前)/2速(後)