アウディA3スポーツバック30TFSI 1stエディション試乗 VWゴルフと異なる立ち位置

公開 : 2022.01.04 06:45  更新 : 2022.01.04 16:19

ゴルフとは異なる立ち位置

同じ1Lのパワートレインで比べた場合でも、アウディA3スポーツバックとVWゴルフとでは質感が異なる。

だがブランドのイメージと重ね合わせてみると、腑に落ちるのはVWの方であり、アウディは落としどころが曖昧な気がする。

アウディA3スポーツバック30TFSI 1stエディション
アウディA3スポーツバック30TFSI 1stエディション    神村聖

例えば現行のVWゴルフはドア自体が軽く、閉めたときの感触もドイツ車らしいバスッと空気を圧縮して閉じ込めるような質感に乏しい。

だがドライブフィールと照らし合わせると、車体の外周の軽さが体幹の強さを強調する結果になっている。

そこにベーシックブランドたるVWらしい割り切りが感じられるのである。

その点アウディA3スポーツバックは、良い言い方をするとFFハッチバックとして瑕疵がない。

だがアウディらしさって何? と考えはじめると、振り切れていない部分が目立つのだ。

そうなると1stエディションの価格も再び気になってくる。

無理を承知でいうならば、VWはFF、アウディはクワトロのみ、くらいに差別化してくれると棲み分けがはっきりするはず。

とはいえ四駆のゴルフは捨てがたいのだけど……。

日本における輸入車は「わざわざ買う理由」が重要だと常々思っている。

A3スポーツバックはサイズ感も日本の環境にあっているので、アウディというブランドが気に入っている人には親しみやすい1台だと思う。

だが他ブランドからカスタマーを奪ってくるほどの引きは感じられなかった。

アウディA3スポーツバック30TFSI 1stエディションのスペック

価格:453万円
全長:4345mm
全幅:1815mm
全高:1450mm
ホイールベース:2635mm
車両重量:1320kg
パワートレイン:直列3気筒999ccターボ+48Vマイルドハイブリッド
最高出力:110ps/ 5500rpm
最大トルク:20.4kg-m/2000-3000rpm
ギアボックス:7速Sトロニック

アウディA3スポーツバック30TFSI 1stエディション
アウディA3スポーツバック30TFSI 1stエディション    神村聖

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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