新型ランドクルーザー、「買い」なのか? 300系の魅力と判断のポイント

公開 : 2022.01.02 18:25  更新 : 2022.01.12 01:22

「買い」の判断、サイズ/用途を要チェック

オフローダーとプレミアムSUVの頂点にして、職人の道具みたいな部分もある。

車重が軽くなったこともあるが、装着タイヤサイズを従来型の285/50R20(ZX)から265/55R20にダウンサイジングしたのも、スペックより実利と実践力重視といった感があり、ツウ好みのポイント。

新型トヨタ・ランドクルーザーZXのトランク(内装色:ブラック)
新型トヨタランドクルーザーZXのトランク(内装色:ブラック)    前田惠介

オン&オフロード性能を高レベルでまとめているのは間違いないのだが、大きな車体はかなりのウィークポイント(全長4985×全幅1980×全高1925mm)。

ちょっと山深い場所に入れば5ナンバーサイズでも厳しい幅員の林道は多い。踏破性よりも、車体サイズと用途の相性はしっかりとチェックする必要がある。

価格はトヨタセーフティセンスやディスプレイオーディオを備えてGX(ガソリン2列シート)の510万円から。GX以上のガソリン車は3列シート仕様となる。

ディーゼル車はZX以上の設定で、いずれも2列シートとなり760万円から。

RAV4ならハイブリッドの最上級グレードでも約410万円。ランクルのオン&オフ性能は一般ユーザーには過剰でもあり、狙える予算が建っても効率的ではない。

しかし、ランクルの性能を活かせる、とくにオフロード走行の機会が多いなら買い得。

同予算でこれほどのオフロード適性とプレミアムSUVのゆとりを両立したモデルは他にない。まあ、ランクルではちょっと地味、と感じるならレクサスLXのFMC車発売を待つのも手だが……。

新型ランドクルーザーZX スペック

トヨタ・ランドクルーザーZX(ディーゼル車)

価格:760万円
全長:4985mm
全幅:1980mm
全高:1925mm
最高速度:-
0-100km/h加速:-
燃費:9.7km/L(WLTCモード)
CO2排出量:267g/km
車両重量:2550kg
パワートレイン:V型6気筒3345ccディーゼル・ターボ
使用燃料:軽油
最高出力:309ps/4000rpm
最大トルク:71.4kg-m/1600-2600rpm
ギアボックス:10速オートマティック
乗車定員:5名
最低地上高:225mm

新型トヨタ・ランドクルーザーZX(プレシャスホワイトパール)
新型トヨタ・ランドクルーザーZX(プレシャスホワイトパール)    前田惠介

記事に関わった人々

  • 執筆

    川島茂夫

    Shigeo Kawashima

    1956年生まれ。子どものころから航空機を筆頭とした乗り物や機械好き。プラモデルからエンジン模型飛行機へと進み、その延長でスロットレーシングを軸にした交友関係から自動車専門誌業界へ。寄稿していた編集部の勧めもあって大学卒業と同時に自動車評論家として自立。「機械の中に刻み込まれたメッセージの解読こそ自動車評論の醍醐味だ!」と思っている。
  • 撮影

    前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)
  • 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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