フォード・ブロンコvsジープ勢 新世代オフローダー 戦いの行方は?
公開 : 2022.01.04 11:05
フォード・ブロンコが電撃復活。オフローダーブームに沸く昨今、ライバルのジープ勢との戦いの行方を解説します。
「ギア」としての楽しみ
かなり思い切った命題だが、ブロンコが日本に正規輸入されていない現状では、ジープファンを含めて興味がある話題ではないだろうか。
本題に入る前に、市場/環境を俯瞰してみたい。
オフローダーといえば、長年に渡ってヘビーユーザーが需要の中核。そんなふうに思われてきた。
日本では90年代にRV(レクリエーショナル・ヴィークル)の需要が拡大した時期もあったが、当時はまだまだ乗用車ではセダンが主流であり、また軽自動車のシェアもいまのように全需の4割といった高い数値ではなかった。
それが、2010年代半ばから後半にかけて、日本を含めてグローバルでアウトドアに対するユーザーの考え方が柔軟になってきた。
環境問題に対する意識の変化や、自分なりの生き方を考えるライフスタイルが徐々に広まっていったことが背景にあるのではないだろうか。
さらに、時代は大きな転換期を迎えた。
2020年春から続く、コロナ禍がクルマの需要や、クルマ選びに対する消費者の意識に影響を及ぼし始めている。
キャンピングカー需要の拡大も並行するかたちで、本格的オフローダーを日常生活の中で「ギア」として楽しむ人たちが増加している。
そうした市場を牽引するのブランドの中で、とくに目立つのがジープとブロンコの躍進だ。
ブロンコ サプライスで復活
まずは、ブロンコについて見ていきたい。
ブロンコをいえば、60年代に登場したフォードのジープといったイメージのクルマだった。
だが70年代以降、そして80年代になると、いまでいうSUVライクなモデルとなるのだが、当時のフォードのラインナップの中ではけっして目立つ存在ではなかった。
90年代になると、ブロンコよりひと回り小さい、エクスプローラーが北米市場で大ヒットとなり、ブロンコの存在感がさらに弱まっていった。
筆者(桃田健史)は90年代、アメリカ中東部のノースキャロライナ州シャーロットに居住していたが、知り合いの多くがフォードだとミッドサイズSUVのエクスプローラー、またGMではフルサイズSUVのタホやサバーバンに乗っている人が多かった印象がある。
90年代から2000年代にかけて、アメリカ市場はさらなるクロスオーバー系SUVシフトのトレンドが強まり、結果的にブロンコはモデルとして消滅してしまう。
時は流れて、2017年1月の北米国際自動車ショー(通称デトロイトショー)。
毎年恒例のフォード特設の大規模記者会見施設で、「ブロンコ復活」が高らかにアナウンスされた。
事前通知のないサプライズで、筆者も発表現場でかなり驚いた。
フォードがオフローダー市場に再参入するという極めて大きな経営判断だった。