なぜ? ランドクルーザーは4年以上/ヴェゼル一部受注中止 SUVの納期が長いワケ

公開 : 2022.01.06 05:45

SUVの納期の長期化が顕著に。人気や半導体不足のみが理由ではないと筆者は分析します。

納期が長いSUVは?

最近はクルマの納期が全般的に延びている。

契約してから納車されるまでの期間は、通常は在庫車でなくても1か月から1か月半に収まっていた。

トヨタ・ランドクルーザー
トヨタランドクルーザー

それが今は、販売店によると「納期が3か月以上の車種が増えた。2か月なら短い部類に入る」とのことだ。

そして納期の長い車種は、SUVに多く見られる。

納期が長い主要SUV(2022年1月初旬現在)

トヨタ・ヤリス・クロス:6か月
トヨタ・カローラ・クロス:7か月
ホンダヴェゼルe:HEV:6か月(PLaYは受注中止)
トヨタ・ハリアーハイブリッド:7か月
レクサスNX:1年前後
スズキジムニー:1年前後
トヨタ・ランドクルーザー:4年以上?

とくに人気の高いコンパクトSUVでは、上記のとおり納期が長い。売れ筋とされるトヨタのヤリス・クロスカローラ・クロスも半年を要する。

ホンダ・ヴェゼルについては、販売店では以下のように述べている。

「ノーマルエンジンの納期は約3か月だが、ヴェゼルの売れ筋はe:HEV(ハイブリッド)だ。e:HEVは大半のグレードが6か月で、最上級のPLaYは納期が著しく延びたから、2021年の終盤以降は受注を中断している」

このほかハリアーもハイブリッドは7か月とのことだ。

SUVはコンパクトからLサイズまで、さまざまな車種にわたり、納期が遅延している。

レクサスは登録台数が激減

レクサスNXは、2021年10月に発表されたが、納期は長い。

レクサスの販売店では以下のように述べた。

レクサスNX
レクサスNX

「NXの納期は約1年まで延びている。それ以上に遅れる可能性もあり、正確な納車の日程は、生産計画が立たないとお伝えできない。今はNXに限らず、レクサス全体の納期が長引いた。そのために売れ行きは激減して、受注が溜まるばかりだ」

たしかにレクサスの登録台数は、納期の遅延で激減している。2021年11月は、前年の11月に比べて42.5%の大幅なマイナスとなった。

これから生産状況が回復しても、膨大な納車待ちの車両が溜まっているから、新たに注文した時の納期はしばらく遅延が続きそうだ。

このほかジムニーも、納期が約1年に達する。

販売店では「現行ジムニーは、発売から3年以上を経過するのに、納期が縮まらない。小型車のジムニーシエラも納期は同程度になる」とのこと。

そして納期の最も長い車種がランドクルーザーだ。

2021年8月に発売されて以来、納期が大幅に遅れている。

販売店では、発売直後は2年と返答していたが、今は「納期がまったく分からない。4年以上を要する可能性もある」と述べる。

いつ買えるか分からないのでは、販売していないのと同じだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    渡辺陽一郎

    Yoichiro Watanabe

    1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。買い得グレードを見極める執筆も多く、吉野屋などに入った時も、どのセットメニューが割安か、無意識に計算してしまう。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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