メルセデス・ベンツCクラス vs BMW 3シリーズ vs ジャガーXF 上級サルーン乗り比べ 前編
公開 : 2022.01.16 09:45
ブランドの個性が表れた見た目
ディーゼルエンジンだとしても、BMW 3シリーズは常にドライバーへの訴求力でCクラスへ勝っていた。それは5世代目でも変わらないだろうか。XFも、しなやかな乗り心地と気持ちの良い操縦性を、マイナーチェンジで磨き込んできた。
洗練性や快適性、扱いやすさ、豪華さなどで、価格帯の最高峰に位置するというCクラスの定評は守れているだろうか。抱ける興味は幅広い。
Cクラスのスタイリングの変化は、従来の流れに沿っている。大胆な面構成や押し出し感の強さといった特徴を、好まないという向きもあるかもしれない。それでも、ブランドの各モデルや歴代のCクラスとの結びつきは、間違いなく色濃い。
320dは、Cクラスとは対照的。試乗車のようにMスポーツ・プロと呼ばれるパッケージを組むと、一層大胆なブラック・アウトされたキドニーグリルがフロントで存在感を放つ。他にも「プロ」化され、ボディでクロームメッキが輝く部分は殆どない。
現代のBMWらしくもあり、3シリーズらしくもある。この新鮮さは、最新のCクラスには足りないデザイン上の処理だともいえる。
ジャガーXFも、3シリーズほどではないものの、ブラックのボディトリムで全体が引き締められている。現行のX260型は2015年の発売だが、フェイスリフトを経て、今でもハンサムさを維持している。
上級サルーンを販売することは、近年では難しい。目を引く美しいボディとまとまりのある乗り心地、縦性を与えるだけでは、不十分なようだ。過去6年間のXFの販売実績が、その事実を示している。
この続きは中編にて。