ジャガーXJ(X350系) アルミ・ボディにクラシカルな見た目 英国版中古車ガイド
公開 : 2022.01.13 08:25
手に入れるなら絶好のタイミング
2008年にXJはフェイスリフトを受け、フロントバンパーにミラー、テールライトなどが変更されている。賛否両論を生んだが、フロントグリルも新しいデザインへ変更された。口を開いたジャガーのエンブレムは、ボンネットからグリルへ移っている。
フロントフェンダーには、エアベント風の処理が追加されているが、これはフェイクだ。内装では、フロントシートが新しくなった点が注目だろう。
現在の中古車市場では、フェイスリフト後のXJの方が取引価格は高い。だが、X350系は底値状態といえ、手に入れるなら絶好のタイミングではある。車両価格の減価償却はとっくに過ぎている。
英国市場を調べると、2000ポンド(約30万円)から1万9000ポンド(約288万円)まで、走行距離や状態、グレードに応じて価格帯は広い。新車時はNA V6で3万9000ポンドから、XJRなら6万8500ポンドしたことを考えれば、近づきやすいことは確かだ。
オーナーの意見を聞いてみる
ハリソン・パガニーニ・パーカー氏
「父との共同所有で、XJを購入しました。当初はSUVを考えていたのですが、ジャガーをひと目見て試乗したら、頭から離れなくなったんです。2003年式で、2500ポンドという安さでした」
「購入時点での走行距離は12万7000kmくらい。購入してから、2万6000km近く走っています。3.0LのV6エンジンで燃費はかなり悪いですが、勢い良く走ります」
「ブレーキやホース類など、いくつかの消耗品は交換してあります。この価格帯と年式を考えれば、想定の範囲内といえるでしょうね」
購入時に気をつけたいポイント
エンジン
長期間放置されていたディーゼルターボの場合は、パティキュレート・フィルターのクリーニングが必要。日常的に乗っている限り、高速道路の走行などで自動的に掃除されるが、整備へ出すと1000ポンド(約15万円)の出費になることも。
2005年4月から2007年3月に製造されたXJは、エンジンECUのリコールが出ている。パティキュレート・フィルターがオーバーヒートして発火する可能性があるという。ラジエーター・クーラントのリザーバータンクは、異常に圧力が高まる場合があるようだ。
ブレーキとサスペンション
エアサスペンションのコンプレッサーは経年劣化しやすいが、交換部品は英国ならさほど高くなく入手できる。フロントロワー・ウイッシュボーンアームのブッシュが痛みやすい。リア側も一式点検した方が良いだろう。
ブレーキは、パイプからのフルード漏れに注意。2005年12月から2006年10月に製造されたXJへは、リコールが掛かっている。
ボディ
アルミ製ボディだが、スチール製のリベットを使用した部分で腐食を起こす可能性がある。センターピラーやトランクリッド、ホイールアーチ内などを重点的に観察したい。
ドア下部の塗装に出る、気泡のような膨らみに悩んでいるオーナーも多い。ウインドウ周辺も、腐食しやすい部分。
トランスミッション
2003年以前のX350系の場合、ギアセレクターの再プログラムでリコールが出ている。高いギアで走行中、リバースに入ることがあるという。すべてのリコールが対応済みか、購入前に確認したい。