ルーフSCRへ試乗 NA 4.0Lフラットで510ps 1250kgのカーボンボディ 前編
公開 : 2022.01.14 08:25 更新 : 2022.04.14 16:59
パワーウエイトレシオは911 GT3 RS以上
ただし、ターボが一般化した現在にあって、ルーフSCRのエンジンは自然吸気。過給器に頼ることなく、水平対向6気筒が直に生み出すパワーという点で大きく異る。しかも、車重はガソリンを積んだ状態で、1250kgしかない。
パワーウエイトレシオに換算すれば、M3 コンペティションはもちろん、911 GT3 RSをも凌駕する。ちなみに伝説のCTR、通称イエローバードをオマージュしたSCRのツインターボ版は、軽く700馬力を超えるそうだ。
エンジンのパワーは、ZF社がルーフ社のために用意したシーケンシャル6速MTと、機械式リミテッドスリップ・デフを介して、センターロック・ホイールへ伝えられる。タイヤはグッドイヤー・イーグルF1 スーパースポーツRで、リア側の幅は305もある。
19インチのホイールは、美しくシンプルなデザインの鍛造品。カーボンセラミック・ブレーキを装備し、バネ下重量を一層軽くしている。
今回、完成したSCRを試乗したのは、ドイツ・バイエルン地方の一般道。路面は雨で濡れ、トラクターが泥や小石を路面に残した場所も多かった。だが、ルーフ社はSCRを普段使いもできるモデルだと説明する。理屈としては、問題ない環境ではある。
事実、500馬力のリアエンジンでも、想像以上に手懐けやすいようだ。フラット6は鼓膜をつんざくひと吠えで目を覚ますが、アイドリングに落ち着くと穏やかになる。軽量なフライホイールが組んであるものの、発進も特に難しくはなかった。
この続きは後編にて。