ボルボXC90(初代) ラグジュアリーSUVの火付け役 英国版中古車ガイド

公開 : 2022.01.20 08:25

不安なく楽しむなら、ある程度の予算立ても

初代ボルボXC90の発表時の英国価格は、2万8400ポンドから。トップグレードでは5万ポンドに迫っていた。

しかし発表から20年が経過した現在では、勇気があれば2000ポンド(約31万円)以下で探すこともできる。ただし、不安感なく初代XC90を楽しみたいなら、5000ポンド(約78万円)前後の予算は見ておきたい。

ボルボXC90(初代/2002〜2014年/英国仕様)
ボルボXC90(初代/2002〜2014年/英国仕様)

モデルライフが12年と長いだけに、選択肢も少なくない。よく比較して理想の1台を選びたいところだ。

オーナーの意見を聞いてみる

キーラン・クラーク氏:ボルボXC90 オーナーズクラブ代表

「ボルボXC90の印象は、間違いなく素晴らしいものです。快適で広々とした車内が、喜びを与えてくれます。ボディは大きいですが、実際に運転してみると、そこまで大きいとも感じません」

ボルボXC90(初代/2002〜2014年/英国仕様)
ボルボXC90(初代/2002〜2014年/英国仕様)

「パワフルなエンジンも魅力です。ですが、やはり車内空間の広さが最大の特長。匹敵するクルマは、今でも多くないと思います。わたしの家族が必要とするものを、すべてこなしてくれます」

「発表から20年が経つので、普通のクルマと同じく経年劣化はしています。不具合はゼロではありませんが、あまり心配する必要もないでしょう」

購入時に気をつけたいポイント

ステアリング

ステアリングが不調になるという理由で、2006年にリコールが掛かっている。1万8728台のクルマが対象となっていた。2006年以前のXC90の場合は、作業を終えているか確認したい。

エンジン

ディーゼルターボの場合、距離が長くなると冷間時での始動性が悪くなる。この原因は、インジェクターの不調かもしれない。その場合は、修理費用が高くついてしまう。

ボディ

ボルボXC90(初代/2002〜2014年/英国仕様)
ボルボXC90(初代/2002〜2014年/英国仕様)

テールゲート・ハンドル内部のヒンジが錆び、テールゲートが開かなくなることがあるようだ。難しい修理ではないものの、テールゲートの内装トリムを外す必要があり、時間は要する。ネットを探すと、修理方法が載っている。

トランスミッション

四輪駆動システムの内部構造の摩耗で、四輪すべての駆動力を失う可能性がある。故障しても、メーターパネルの警告灯は点かない。

滑りやすい路面を走らせ、フロントタイヤだけがスピンするかどうかで確認できる。機能が正常なら、前後のタイヤすべてが回転する。修理には1000ポンド(約15万円)くらいは必要になるだろう。

ブレーキ

XC90は車重が重く、ブレーキへの負荷も高い。サイドブレーキも含めて、事前によく確かめたい。サイドブレーキを掛けてもクルマが進んだり、ひっかくようなノイズが聞こえる場合は、サイドブレーキ・シューの交換を考えたい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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