アウディA6 詳細データテスト 快適志向 パフォーマンスやハンドリングは無難 静粛性はかなり優秀

公開 : 2022.01.15 20:25  更新 : 2022.02.01 23:56

快適性/静粛性 ★★★★★★★★★☆

騒音計が教えてくれたのは、A6 50 TFSIeがズバ抜けて静かなクルマだ、ということだった。雨混じりの荒れた天候の中で、テストには不向きのコンディションだったにもかかわらず、80km/h巡航での室内騒音は61dBAにとどまった。これは、2ヶ月前に計測したBMW545eを2dBA凌ぎ、2020年にベントレーフライングスパーが記録した数字にあと1dBAまで迫る結果だ。

動力源はふたつあるが、ノイズが相乗するのではなく、一方からもう一方へ発生源が置き換わるような感じだ。そのぶん、風切り音やロードノイズが耳に届いてしまうが、どちらもひどく室内へ入り込むことはない。

静粛性はフライングスパーに迫るほど。路面の悪い道での乗り心地には気掛かりな点がなくもないが、このクルマにそこまで求めるのは高望みというものだろう。
静粛性はフライングスパーに迫るほど。路面の悪い道での乗り心地には気掛かりな点がなくもないが、このクルマにそこまで求めるのは高望みというものだろう。    LUC LACEY

EVモードでペダルを強く踏み込むと、モーターの微かな唸りが聞こえるが、耳障りではない。むしろ偽りがなく、心強く思える音だ。エンジンにしても、激しく回してさえスムースで、ノイズや振動が抑えられ、マナーのよさが存分に感じられる。

テスト車に装着されたSライン仕様のスポーツシートは、横方向のサポートが十分すぎるほどで、太もも周りもまずまず支えてくれる。ランバーサポートはやや物足りないが、長時間座っていても快適だ。

セカンダリーライドはおおむね良好だが、荒れた路面ではわずかながらも反響が気になる。プライマリーライドは、カントリーロードでは多少ぎこちなさやムラがあり、過敏なところをみせるものの、簡単に破綻することはない。

そうした乗り心地のチューンがもう少しよかったら、この項目で満点が取れたはずだ。もっとも、今のままでも限りなく満点に近いのだが。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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