ポルシェ718ボクスター GTS(4) 長期テスト サーキット走行で本領発揮

公開 : 2022.01.23 09:45

高バランスなミドシップ・ロードスター

スタビリティも素晴らしく、速度域を問わず、初期のアンダーステアが掴みやすい。ミドシップ・レイアウトでありながら、感心するほど懐が深い。

ブレーキを引きずりながらのターンインや、テール主導のハンドリングなど、ちょっとしたテクニックにも応えてくれる。挙動は掴み取りやすく、テールスライドも強く意識せずに引き出せる。

ポルシェ718ボクスター GTS 4.0(英国仕様)
ポルシェ718ボクスター GTS 4.0(英国仕様)

ポルシェ718ボクスターは、ドライビング・テクニックを覚えるクルマとして優秀。同時に、ドライバーへの充足度も極めて高い。

ただし、よりショートなギア比と、より硬いブレーキペダルの感触が組み合わされば、一層素晴らしいクルマになるだろう。LSDが付いていなくても、アルピーヌA110の方が楽しいことも事実ではある。

それでも、年に数回サーキット走行で軽く汗をかきたいというドライバーにとって、718ボクスター GTSはベストチョイスの1台だ。普段はオープン・ドライブを謳歌できるのだから。高バランスなミドシップ・ロードスターだと思う。

積算1万702km 洗車が報われるボディカラー

久しぶりに718ボクスターを洗車してもらった。普段は自分で洗車しているのだが。最近は長く乗る機会が多く、汚れていた。走行で汚れたスポーツカーの見た目も、意外と嫌いではないのだけれど。

しかし、オプションカラーのカーマイン・レッド塗装は、きれいな状態ではとても見栄えがする。当初は汚れをさほど気にしていなかったのだが、洗ってもらって良かったと思わせるボディカラーだ。

ポルシェ718ボクスター GTS 4.0(英国仕様)
ポルシェ718ボクスター GTS 4.0(英国仕様)

テストデータ

気に入っているトコロ

ホイール:カッコイイ20インチのスポーツホイールを履いている。シルバーなら、もっと良く見えるだろう。

気に入らないトコロ

シフトノブ:変速自体が気に入らないわけではない。ストロークは充分に短いが、フィーリングが乏しく、ギアを変えたというメカニカルな手応えが薄い。

価格

モデル名:ポルシェ718ボクスター GTS 4.0(英国仕様)
新車価格:6万6340ポンド(約1028万円)
テスト車の価格:7万5860ポンド(約1175万円)

テストの記録

燃費:9.6km/L
故障:なし
出費:12ポンド(約1800円/エンジンオイル)

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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