ヒュンダイix35プレミアム 2.0 CRDi 4WD
公開 : 2014.05.29 23:40 更新 : 2021.03.05 21:39
■どんなクルマ?
2014年版のヒュンダイix35はオフロードでもアーバン・ユースでも実力を発揮する。先代までのモデルよりも高さの増したフロント・エンドと、フロント・グリルに誇らしげに鎮座するヒュンダイのエンブレムなど、小粋なルックスを演出するアイテムはヒュンダイ・ブランド自体が高級志向へとシフトしている事を表現するための重要なアイテムなのである。
今回われわれがテストした車両は、18インチのアロイ・ホイール、バイキセノン・ヘッドライト、キーレス・エントリー、クルーズ・コントロール、リア・パーキング・センサー、シート・ヒーターなどを追加した、最高スペックに近いプレミアム・モデルである。標準価格は£27,205(403万円)であるが、メタリック塗装が施されたテスト車両は£27,725(411万円)まで跳ね上がる。しかしながらこの価格でも、日産キャシュカイに代表される4WDのライバル達より安いのである。
更にix35の内装は見た目、手触りともに高級感がある。用いられる素材は良質で、統一感もとても良い。ただしセンター・コンソールはわずかに低く、操作するには腕を多少伸ばす必要がある。とは言うものの、ほとんどのコントローラーは簡単に操作可能なのは間違いない。シートの座り心地も快適ではあるが、オフロードを走行する際はもう少しサポート性が高くてもいいのではないかと感じた。
トランク・スペースには全く不足がなく通常で591ℓ、またリア・シートを倒した際は1436ℓにまで拡大できる。1436ℓのサイズは先代のそれを大きく凌ぎ、またライバルである日産キャシュカイやキア・スポールテージより大きい。
■どんな感じ?
今回は公道よりも、ミルブルック・プロバイディング・グランドと言う名の、イギリス国内のあらゆる道路のシチュエーションを網羅したコースに重点を置いてテストを行った。
ix35は荒れた路面や、曲がりくねった道をいとも簡単にクリアし、2.0ℓのCRDiディーゼル・エンジンも粘り強さを見せた。
ただし32.6kg-mの最大トルクは1800-2500rpmの間で発生するため、比較的早くエンジン自体が力尽きる。またエンジンから発生する音もかなり大きく、わずか80km/h前後でキャビンに音が多分に入り込んでくるのは事実だ。
テスト車に組み合わされていた6速MTの完成度はそこまで悪くはないのだが、時折思った以上に早くシフト・ダウンすることがある。オフロードの坂道を登る際にも、自分で適切なギアを探す前に、勝手に変速することが見受けられた。
とまあ、ここまでは色々と不満を並べたのだけれど、これらの問題は大部分のオーナーが特に気にならない程度のものである。総合的な経済性にも優れ、ヒュンダイの公表値では燃費が14.7km/ℓ、CO2排出量が179g/kmとなる。
限界を超えるほどのハードな運転をすればアンダーが出る傾向があるが、ハンドリングは先代よりさらに洗練され、走行時の安定感も申し分ない。予想通りフィードバックは少なめではあるものの、総合してステアリングは軽く、落ち着きがあり正確である。
■「買い」か?
スタイルとコストを優先的に考えるのであれば、有力候補になり得るだろう。キャシュカイなどのライバルに比べてやや活発さに欠ける面があるが、先代よりも大幅に進化している。
もし4WD仕様ではないモデルを選択すれば £17,000(252万円)で購入することができ、バリュー・フォー・マネーは更に高まるはずだ。
(ダレン・モス)
ヒュンダイix35プレミアム 2.0 CRDi 4WD
価格 | £27,205(466万円) |
最高速度 | 182km/h |
0-100km/h加速 | 12.1秒 |
燃費 | 14.7km/ℓ |
CO2排出量 | 179g/km |
乾燥重量 | 1712kg |
エンジン | 直列4気筒1995ccターボ・ディーゼル |
最高出力 | 136ps/4000rpm |
最大トルク | 32.6kg-m/1800-2500rpm |
ギアボックス | 6速オートマティック |