トヨタ新型ノア/ヴォクシー発売 5ナンバーなしでも、「からくり」で勝負 価格/サイズ/内装を解説

公開 : 2022.01.13 13:45  更新 : 2022.01.20 15:17

2列目スライド、3列目跳ね上げの進化

新型ノア/ヴォクシーの骨格となるプラットフォームには、TNGAプラットフォーム(GA-C)を採用。

この最適化によって、左右のCピラー間距離を現行型より75mm広い1295mmに。1405mmの室内高と相まって、開放感のある車室を実現した。

新型ヴォクシーS-Z(内装色ブラック:7人乗り/ガソリン)
新型ヴォクシーS-Z(内装色ブラック:7人乗り/ガソリン)    前田惠介

7人乗り仕様の2列目シートにはキャプテンシートを採用。

クラス初となるオットマン機構とシートヒーターに加え、折りたたみ式大型サイドテーブルなどを装備。

シートをいったん横にスライドさせることなく、スライド量745mmというストレート超ロングスライドを実現しており、快適性はもちろん3列目シートの乗降性など、利便性の良さも追求した。

8人乗り仕様の2列目シートには3人掛けのベンチシートを採用。6:4分割のチップアップ機構も備える。また、スライド量705mmのロングスライドを実現した。

3列目シートも座り心地が改善されているが、注目はワンタッチで跳ね上げて、ホールドできるようになったこと。ストラップでの固定は不要だ。

バックドア側から見える座面後部のレバーを軽く引き上げるだけで、面白いように跳ね上がり、車内の側壁にコンパクトにホールドされる。

また、荷室のフロア下には104L(スペアタイヤレス時)のスーパーラゲッジを備え、高さのあるモノの収納に便利なスペースを確保した。

あえての「からくり」式

また、パワースライドドア車の助手席側にはユニバーサルステップをオプション設定し、スライドドアの開閉に合わせて“機械的に”ドア下部からステップが展開・格納される。

電動制御に頼らず、からくりのように連動動作する仕掛けたとしたことで、3万3000円という低価格の単独オプション化にこぎつけた。

新型ヴォクシーS-Z(マッシブグレー:7人乗り/ガソリン)
新型ヴォクシーS-Z(マッシブグレー:7人乗り/ガソリン)    前田惠介

なおステップ高は200mmで、子どもから高齢者まで、優しい乗降性を提供する。

また手動開閉式バックドアは、任意の角度で保持できるフリーストップバックドアを世界初採用。その仕組みは、こちらも電動に頼らない「からくり」式で、ビジネスホテルの物干しロープに着想を得たストッパー機構を採用する。

また、電動開閉のパワーバックドアは、車体横(リアクォーターパネル部)にオープン・クローズの両ボタンをこっそり設置し、任意の開閉操作を行える。

駐車場の大きさが十分ではない日本の都市部では、バックドアの開閉には気を使う。

セレナの開閉式リアガラス、現行型ステップワゴンのわくわくゲートとは異なるアプローチで、トヨタはバックドアの使い勝手を高めたわけだ。

記事に関わった人々

  • 撮影

    前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)
  • 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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