お金を払ったのに納車されない! 被害者多数 長野市の自動車販売店社長、行方不明
公開 : 2022.01.13 11:40 更新 : 2022.03.25 18:48
警察の対応はどうなのか?
今回の被害者の多くはすでに警察に足を運んでいる。
担当は長野南警察署とのことだが、同じように被害を受けていても被害届が受理されない人もいる。
ある被害者は嘆く。
「購入をしたばかりで納期の連絡がない人や、契約書や発注書に納車日の記載がない契約の場合は受理されないこともあるようです」
「基本、警察はこういう事案には消極的ですね。同じ被害を受けた人の中には被害届が受理されないばかりか、話もほとんど聞いてくれなかった警察もあります」
「人が死んでしまうような事件じゃない限り、積極的な捜査はしないみたいですね」
今回の件を筆者に情報提供してくれたKさん(中古車購入で詐欺被害に遭い、首謀者は逮捕されたが返金はなし)は警察の動きに対して、以下のように話した。
「日本は詐欺のハードルが高いですよね。詐欺だ詐欺だ、って思うのは簡単ですが、実際、その事案が詐欺と認定されるまでが限りなく遠いです」
「マスコミで報道されて多くの人が知ることになれば警察を動かせる可能性が高まりますが、そのマスコミの報道も大都市以外だと難しいのが現状です」
「わたしの場合、名古屋に住んでおり車屋が岐阜近隣と言う事で多くのマスコミが動いてくれましたが……」
警察は今どのような状況なのだろうか?
2人の息子さんが初めての新車としてアルファード(550万円)とハリアー(480万円)を購入した父親のCさんからの情報では「長野南警察署に行った際、被害届けが数十件出ており、それらを長野県警の方にまとめて提出し、正式な被害届受理となると聞きました。警察では被害者のリストを作成しているところだそうです」とのことである。
3000万円ものお金を入金している人も
大阪在住のDさんは、みずからも自動車販売に関わる仕事をしている。
デュナミスレーシングで昨年12月にトヨタ・アルファードとメルセデス・ベンツGクラスを契約した。
12月13日に入金したが、その後全く連絡がなく電話にも出ない。
年明けに長野のお店まで行ってみたところ……店内空っぽ。もぬけの殻だったそうだ。
その際、同様に連絡が取れなくなって店に来てみたという他の被害者が10名程度いたとのこと。
Dさんはこれまでデュナミスレーシングとの取引はなかったが、以前、親戚がここで購入している事や値段が安くサービスもよさそうということで取引を決意した。
しかし、この状況からして「わたしたちのクルマも実際にはディーラーに発注されていなかったのかもしれません」と肩を落とす。
Dさんはすでに合計3000万円ものお金を入金している。
いっぽう、非常にまれだが「全額返金」に成功した被害者もいる。