ポルシェ356 バイ・エレクトロジェニックへ試乗 フラット4へ戻せる純EV化
公開 : 2022.01.19 08:25
4速MTでも変速する必要性はない
システムをオンにしたら、クラッチペダルを左足で踏み込む。シフトレバーで1速か2速を選んで、クラッチペダルを離す。この時点でクルマは動かない。そこからアクセルペダルを踏むと、356は発進する。
スピードが増すほどギアからのメカノイズが大きくなるが、面倒なら2速のまま走り続けることも可能。シフトアップするとしても、回転数を合わせる必要はない。
もちろん、アクセルペダルを低速で緩めてもエンストはしない。緩やかに惰性走行して、そのまま停止する。ブレーキペダルを踏めば、機械的なブレーキも作用して明確な制動力を得られる。
筆者は、オリジナルのポルシェ356を運転した経験がない。それでも、今回試乗したエレクトロモッド版は、ステアリングホイールの反応が正確で、惹き込まれる楽しさがあった。
ペダル類やステアリングホイールなど、操縦系の重み付けはバランスが良い。駆動用モーターはシームレスにボディを進め、とても運転しやすいとも感じた。
エレクトロモッドは約589万円から
エレクトロジェニック社が提供するエレクトロモッドのメニューは、3万8000ポンド(約589万円)から。だが、創業者のスティーブ・ドラモンド氏によれば、10万ポンド(約1550万円)を軽く超える金額が投じられるケースも少なくないという。
前例のないモデルの場合には手間が掛かるが、2台目以降の作業は簡単になる。ランドローバーのコンバージョン・キットは、2万5000ポンド(約387万円)で提供する予定もあるようだ。これは、必要な知識があれば社外でも組み込めるとのこと。
今回試乗したポルシェ356に要した費用は、5万4000ポンド(約837万円)。別のモデルや特注の内容なら、値段も変わってくる。
エレクトロモッドに賛否両論はあると思うが、オーナーは自らが望んだ美しいクルマを、より頻繁に運転するようになるという傾向はあるらしい。ガレージで眺めているだけより、良いことだとは思う。
ポルシェ356 バイ・エレクトロジェニック(欧州仕様)のスペック
英国価格:20万ポンド(約3100万円/ベース車両を含む)
全長:4010mm(標準356)
全幅:1660mm(標準356)
全高:1320mm(標準356)
最高速度:177km/h(予想)
0-100km/h加速:8.0秒(予想)
航続距離:225km(予想)
電費:−
CO2排出量:−
車両重量:1000kg(予想)
パワートレイン:AC同期モーター
バッテリー:36.0kWhリチウムイオン(実容量)
最高出力:121ps
最大トルク:23.8kg-m
ギアボックス:4速マニュアル