フィアット・パンダ(2代目) 英国版中古車ガイド 今も人気の100HPと4x4

公開 : 2022.01.22 08:25

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ダリル・ダイカー氏

「本当に速いホットハッチを目指して、アバルトはパンダ 100HPをベースに選んで欲しかったと今でも思います。1.4Lターボエンジンはタフでとても楽しいですが、もっとパワフルでも良かったですね」

フィアット・パンダ 100HP(2代目/2006〜2010年/英国仕様)
フィアット・パンダ 100HP(2代目/2006〜2010年/英国仕様)

「交差点からのスタートダッシュや、ゴーカート風のハンドリングは、私が気に入っている点。アクラポビッチ社製のエグゾーストを組めば、サウンドもご機嫌です」

「6速MTは、通常16万km毎のオーバーホールが必要とされています。それ以外、定期的なメンテナンス以外に目立った心配は不要といえるでしょう」

購入時に気をつけたいポイント

ボディ

ボディの製造品質は、パンダのストロングポイントではない。塗膜は薄く、飛び石キズで剥げていないか確認したい。

ライトクラスターに水が溜まることがあり、ゴムシールの劣化具合も確かめたい。フロントガラス下部の排水口が詰まり、車内に水が侵入することもある。

電気系統

フィアット・パンダ(2代目/2003〜2011年/英国仕様)
フィアット・パンダ(2代目/2003〜2011年/英国仕様)

ECUの不具合で加速が不安定になる場合がある。ソフトウエアのアップデートで改善することが多いようだ。

低速域で発生するステアリングホイールの振動や唸り音は、トルクポジション・センサーのエラーかもしれない。ステアリングコラムを交換した後、ECUを新しい部品に対応させるため、アップデートする必要がある。

バッテリーの電圧が下がると、システムエラーや警告灯の点灯を招く。怪しいと感じたら、バッテリー交換を試してみたい。

エンジン

ガソリンエンジンはエントリーユニットの8バルブ1.1Lから16バルブ1.4Lまで、質素なメカニズムでメンテナンスは容易。想像以上にパワフルでもある。

ヘッドガスケットの不具合は、エンジンを問わず発生しなくはない。エンジンオイルがクーラントと混ざり乳白色に変化していたり、排気ガスからの白煙がないか確かめたい。

タイミングベルトの交換は、5万8000km毎が推奨。2010年以降の可変バルブエンジンは、バルブとピストンが干渉するため注意が必要だ。

トランスミッション

不具合はギアボックスより、油圧クラッチの方で起きがち。フリクション・プレートを交換する前に、調整で対応できる場合もある。

4x4と100HPの場合、3速へのシフトアップ時に引っかかりを感じることがある。リンケージの交換で改善することもあるが、シンクロメッシュの摩耗が原因かもしれない。

サスペンションとタイヤ

100HPのサスペンションは、他のパンダより硬め。4x4は車高が高く、コーナリング時のロールが大きい。また100HPは、アライメントが狂うことでタイヤの偏摩耗が起きやすい。購入後の調整がオススメ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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