世界最大の自動車工場 32選 前編 次々とクルマが作られていく超巨大ファクトリー
公開 : 2022.01.22 18:05
上海フォルクスワーゲン:中国湖南省長沙市 – 30万台
上海から西へ約880km、上海フォルクスワーゲン社が運営する長沙工場は、中国におけるフォルクスワーゲンの20番目の工場である。同社は、SAIC(上海汽車)とフォルクスワーゲンの合弁会社だ。中国市場向けにフォルクスワーゲン・ラヴィダやシュコダのモデルを生産しており、4000人を雇用している。
太陽光発電で1万MWhの電力を賄っており、世界で最もエネルギー効率の高い自動車工場の1つとされる。また、雨水利用や生産工程での水の再利用を行い、工場全体の水消費量を20%削減している。
ゼネラル・モーターズ:米国インディアナ州フォートウェイン市 – 30万1000台
インディアナ州フォートウェイン工場が、米国で最も人気のあるピックアップトラック2台を生産しているとなれば、その規模が世界最大級であることも何ら不思議ではない。2019年には、30万台以上のGMCシエラ1500とシボレー・シルバラード1500が、約65kmに及ぶベルトコンベアと2276台のロボットのサポートを得て生産・出荷されていった。
敷地内のトラックヤードには97か所のトラックドックがあり、2.6分ごとに配送が行われているという事実から、この工場でどれだけの材料を消費しているかが伺えるだろう。
メルセデス・ベンツ:ドイツ・バーデン=ヴュルテンベルク州ジンデルフィンゲン – 31万台
シュトゥットガルトの南西に位置するメルセデスのジンデルフィンゲン工場では、1915年から自動車製造が行われている。生産ラインでは2万5000人のスタッフが働いており、さらにメルセデスの研究本部としても使用されているため、敷地内にはこの他に1万人のスタッフがいる。
ジンデルフィンゲンでは、2019年にSクラス、Eクラス、AMG GTモデルなど31万台を生産した。2022年には、新型GLCもこの工場からラインオフする予定だ。
ホンダ:米アラバマ州リンカーン – 34万台
ホンダは、米国アラバマ州リンカーン工場で、オデッセイ、パイロット、リッジライン、パスポートを約34万台生産している。建設費は26億ドル(約2970億円)で、2001年に操業を開始した。工場は約550万平米の敷地にあり、4500人の従業員が働いている。なお、従業員の平均給与は、アラバマ州の平均給与より67%も高い。
ヒュンダイ:米アラバマ州 – 39万9500台
2005年に開設されたヒュンダイのアラバマ工場は、毎年最大39万9500台を生産しており、これによりアラバマ州は米国最大の自動車生産州の1つとなっている。工場では3000人の従業員が働いており、敷地面積は約718万平米に及ぶ。また、自動車を製造する工場であると同時に、敷地内に3kmのテストコースを持っている。