世界最大の自動車工場 32選 後編 次々とクルマが作られていく超巨大ファクトリー
公開 : 2022.01.22 18:25
セアト:スペイン・カタルーニャ州マルトレル市 – 50万台
バルセロナ郊外にあるマルトレル工場では、毎年約50万台のフォルクスワーゲン・グループ車を生産している。1993年に操業を開始し、現在では280万平米の敷地で1万1000人の従業員が働いている。
スペインの気候を最大限に利用し、工場の屋根には5万3000枚のソーラーパネルが設置され、稼働に十分な電力を供給している。毎年7000トンの二酸化炭素排出を削減しているという。
フォード:米ミズーリ州カンザスシティ – 50万365台
カンザスシティ工場は、その名の由来となった地から北に15kmほど離れたミズーリ州クレイコモにある。ここではフォードがF-150の多くを製造しており、これが米国内のベストセラー車である以上、生産台数の多さは当然予想されることである。
1951年から軍用車を製造しており、1956年に初めて民間車の生産を開始して以来、その規模は2倍以上になった。51万平米の工場には7000人が働いており、米国市場向けのフォード・トランジットも生産している。
トヨタ:米ケンタッキー州 – 55万人
トヨタ自動車ケンタッキー工場(TMMK)は、トヨタの単一工場としては最大規模であり、米国で初めて100%出資した工場でもある。1988年にカムリの生産を開始し、米国でのセダン人気に支えられてきた。現在もカムリ、RAV4、レクサスESを生産している。工場では1万人を雇用している。
キア:韓国京畿道華城市 – 56万3000台
キアの華城(ファソン)工場のスケールは印象的で、巨大な敷地内には大型モデルを生産するラインだけでなく、独自の鋳造工場、ボディプレス工場、テストコースがある。敷地面積は330万平米。韓国の西海岸に位置するため、生産された自動車はそのまま船に積んで世界中に輸出することができる。
華城工場内のテストコースは全長約15km、12種類のルートがあり、32パターンの路面が用意されている。
マツダ:広島県 – 56万9000台
マツダの広島本社工場は、自動車産業における最も重要な拠点の1つだ。年間生産能力は56万9000台で、CX-3、CX-5、CX-8、CX-9、ロードスターなど、マツダのほとんどの車種がここで生産されている。
工場の屋根にはソーラーパネルが設置され、現在1.1MWを発電している。この電力は工場全体で使用するだけでなく、EVのMX-30の充電にも充てられている。