ランボルギーニ・ムルシエラゴ 英国版中古車ガイド 当時は地球上で最もセクシー

公開 : 2022.01.27 08:25

購入時に気をつけたいポイント

トランスミッション

ロボタイズド・マニュアルのeギアは、連続してアクセルペダルの操作時にクラッチ接続が重なると、クラッチの摩耗や加熱を招く。バックでも同様。

オーナーによれば、eギアのクラッチはMTより遥かに早く減るという。クラッチ交換はエンジンを降ろす必要があり、英国では5000ポンド(約78万円)ほど必要になる。

ランボルギーニ・ムルシエラゴ(2001〜2010年/英国仕様)
ランボルギーニムルシエラゴ(2001〜2010年/英国仕様)

eギアでは、機械式アクチュエーターの不具合も起きやすい。変速できなくなるため、症状はわかりやすい。英国の場合は、交換に1万5000ポンド(約232万円)程度の予算が必要になる。2009年以降はソフトウエアが改良され、信頼性が向上している。

ボディ

飛び石キズや擦り傷などに気をつけたい。ムルシエラゴの全高は低く、全幅は2mを超える。シザーズドアの底面が腐食していないか、開閉時は確認したい。

ブレーキ

サーキット走行など、ハイスピードで走らせるほど摩耗は早い。ディスクやパッドは、減り具合だけでなく腐食具合も確かめたい。安く交換はできない。

後期モデルのカーボンセラミック・ブレーキは減りにくい。ブレーキフルードの交換は、毎年が推奨だ。

エンジン

バルブタイミングに不具合が出ることがあり、ミスファイアや始動できなくなることがある。エンジンの定期メンテナンスは、1万2000km毎か毎年という指定。エンジンオイルは、1600km毎に1L消費することもあるという。

ソフトトップ

ロードスターのソフトトップはフレームを組み立てる必要があり、簡単ではない。クーペを選ぶか悩むなら、知っておきたい。

英国ではいくら払うべき?

13万ポンド(約2015万円)〜14万9999ポンド(約2324万円)

走行距離が伸びた初期のムルシエラゴ・クーペを英国では探せる。

15万ポンド(約2325万円)〜16万9999ポンド(約2634万円)

走行距離4万8000km以下のムルシエラゴ。eギアの6.5Lエンジン版やロードスターも含まれてくる。

17万ポンド(約2635万円)〜18万4999ポンド(約2866万円)

オプションがふんだんに搭載された、走行距離3万2000km以下のムルシエラゴが英国では出てくる。

18万5000ポンド(約2867万円)〜19万9999ポンド(約3099万円)

走行距離は1万6000km以下。直近もディーラーで整備を受けた、状態の良い例が中心。

20万ポンド(約3100万円)以上

英国では、走行距離8000km程度の極上のムルシエラゴが購入できる。ハードコアなLP 670-4 スーパーヴェローチェが出てくることも。

英国で掘り出し物を発見

ランボルギーニ・ムルシエラゴ 6.2 4WD 登録:2007年 走行距離:3万1900km 価格:16万ポンド(約2480万円)

執筆時に出ていた最も安価なムルシエラゴの1台。個人売買だが整備記録が整った、5オーナー車だ。記録を確認すると、2017年以降は1200kmも走っていないという。

ランボルギーニ・ムルシエラゴ 6.2 4WD(2007年/英国仕様)
ランボルギーニ・ムルシエラゴ 6.2 4WD(2007年/英国仕様)

写真から判断する限り、ボディやインテリアの状態はかなり良い様子。お値打ちな例かもしれない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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