アウディ・カブリオレ(B3系) 英国版中古車ガイド ダイアナ妃も運転していた
公開 : 2022.02.06 08:25
端正なボディラインに多彩なエンジン。アウディ80がベースとなったカブリオレの魅力を、英国編集部がご紹介します。
もくじ
ー多くの長所があるカブリオレ
ーB3プラットフォームを最終まで維持
ーS2譲りのボンネットとサスペンション
ーオーナーの意見を聞いてみる
ー購入時に気をつけたいポイント
ー英国ではいくら払うべき?
ー知っておくべきこと
ー英国で掘り出し物を発見
多くの長所があるカブリオレ
故ダイアナ妃も乗っていたという、アウディ・カブリオレ。端正なスタイリングと美しいプリンセスとの結びつきは、ネオクラシック・モデルにとって触れるべき過去の1つだといえる。
王室が所有していた例は、以前に高額でオークションへ掛けられているが、普通に乗られていた中古車なら身近な金額が付いている。今ところ、価格上昇に巻き込まれてはいないようだ。
レストアが必要そうな例なら、英国では1000ポンド(約16万円)程度から購入でき、普通に乗れるカブリオレでも4000ポンド(約62万円)ほど用意すれば充分。執筆時の最も高い例で、約8000ポンド(約124万円)だった。
アウディ・カブリオレには多くの長所がある。強化されたAピラーのおかげで、横転時に展開するロールオーバー・バーは存在せず、ウエストラインはエレガント。ボディは戦車のように堅牢に作られており、サビに強い亜鉛メッキで仕上げてある。
欧州では、エンジンにも複数の選択肢が用意された。パワフルで信頼性に優れた4気筒1.8L 20バルブと2.0L 8バルブ、2.3Lの5気筒に、2.6Lと2.8LのV型6気筒が、モデルライフ中に登用されている。
エンジンはすべて燃料インジェクションで、最高出力は116psから176psまで。アウディらしくもあり珍しい2.3L 5気筒は、134psを発揮した。
トランスミッションは5速マニュアルか、4速オートマティック。駆動方式はFFのみで、四輪駆動は設定されていなかった。
B3プラットフォームを最終まで維持
アウディ・カブリオレは、運転好きの選択肢には入りにくかった。その理由は、同時期のE36型BMW 3シリーズ・カブリオレの方が、ずっとスポーティなキャラクターだったことが挙げられる。
製造品質に力が込められ、ボディは強化され車重は重い。そのぶん、コーナリングが鋭いわけではなかった。
また、登場が30年以上昔のカブリオレだから、走行時の衝撃でボディが震えることもある。とはいえ、クルマの魅力を否定するほどではない。エンジンはもう少しエネルギッシュでも良かったと思うが、5気筒エンジンは快音を楽しませてくれる。
そんなアウディ・カブリオレの発表は1991年。B3世代の、アウディ80がベースとなっていた。
一方で、アウディ80は1992年にB4系としてフェイスリフトを受け、さらに1994年からはB5プラットフォームを採用したA4へモデルチェンジしている。だが、カブリオレは2000年のモデル終了まで、B3プラットフォームのままだった。
その理由は、固定ルーフ・ボディと比べてカブリオレは開発費用が多く必要なのに対し、販売台数が限られるため。投じた予算の回収を考えると、モデルチェンジが難しかったのだろう。