タイサン・クレッパーGT-R 3000万円超で落札 東京オートサロン出展車×ヤフオク
公開 : 2022.01.23 20:30 更新 : 2022.01.23 20:54
東京オートサロン2022出展車8台がヤフオクに出品。タイサン・クレッパーGT-Rの結果を紹介します。
タイサン・クレッパーGT-Rの概要
自動車イベント「東京オートサロン2022」と「コレクションカーオークション」のコラボレーションにより、リアルでのイベントとオンライン入札を融合したオークションが開催された。
「コレクションカーオークション」は、希少価値の高いクルマに特化したオークションハウスのBHオークションと、ネットオークションの「ヤフオク!」が協力して昨年6月から開かれている。
2022年1月23日に判明したオークションの結果を紹介。
タイサン・クレッパーGT-R
スタート価格:1604万5455円(税込1765万円)
最終結果:2924万9000円(税込3217万3900円)
入札数:38
タイサン・クレッパーGT-Rの詳細
出品されたタイサン・クレッパーGT-Rは1991年のグループA(全日本ツーリングカーレース)において実際にフル参戦した個体。
レースではBNR32型GT-Rの開発テストドライバーを務めた高橋健二氏、そして「ドリフトキング」土屋圭市氏がステアリングを握ったことでも有名。
当時のグループAはBNR32型GT-Rがあまりにも速く、出場車両はGT-Rだけの事実上ワンメイクレースとなっていた。そんな中で、このタイサン号が活躍できた要因は独自の水冷システムだ。
開幕戦こそ他チームと同じ空冷システムをブレーキに採用していたが、GT-Rが絞り出す圧倒的なパワーの前で、タイサンはリタイアという苦渋を飲むこととなる。
そこでチーム代表の千葉氏は、経営していたポンプの製造を主とする太産業工業の技術をレースに流用し、形勢の逆転を図ったのである。
20Lのウォータータンクを備え、ブレーキローターに直接水を吹きかけて冷却をおこなった。
これは絶大な効果を発揮し、第2戦鈴鹿では2位、続く第3戦筑波でも2位という好成績を残す。
もちろんこの水冷システムは現在もそのまま備え付けられており、ドライバーシートの後ろには水を注入する給水口が確認できる。
エンジンこそノーマル(N1仕様)に換装されているが、足まわりのパーツなどの大部分も当時のグループA仕様が維持されている。
足元には、当時ものであるマグネシウム製センターロックホイール「VOLK RACING SUPER FINE」も装着されており、その表面には数々の激戦を戦い抜いてきたことを思わせる傷跡が残る。
一時代を築き、チームタイサンのアイコンとなった32 GT-R。
現存するのは91年グループAにフル参戦したこの個体と、日産ヘリテージコレクションに展示されている92年から93年にかけて使用された個体のみとなる。