「旧車を所有できる自由」求めて 米の旧車オーナー 続々とテキサスへ引っ越すワケ
公開 : 2022.01.23 05:45 更新 : 2022.03.25 18:48
古いクルマを所有できる自由を求めて
「わたしがカリフォルニアを出たのは治安が悪化の一途をたどっていたこと、そして物価がグングン上昇していること。何しろガソリンもかなり高くなっています。クルマの登録費用や税金も高額です」
「また、車検ではないですが、カリフォルニアには全米一(世界一?)厳しいといわれる『スモッグテスト』(排ガス規制)があります」
「その規制がどんどん厳しくなって1980年代、90年代の日本車では対応するのが難しくなってきました。そこで古いクルマを所有できる自由があり、物価の安いテキサスに引っ越したいと考えたのです」
日本の旧車といえば「25年ルール」(FMVSS)をクリアしていれば同時に排ガスに関する「21年ルール」(EPA)も同時にクリアできるのでどんなクルマでもアメリカに輸入できるのではなかったのだろうか?
「はい。25年ルールでアメリカに輸入することは可能です。しかし、『輸入』と『登録』は違います」
「州によって異なっており、排ガス規制が特に厳しいカリフォルニアでは輸入できても登録(カリフォルニア州のナンバーがつく)できるとは限りません」
「他の州で登録してカリフォルニアに住めばいいじゃないか? と思われる方もいるかもしれませんが、それは非常に困難です。見つかれば違反キップ切られて罰金を納めないといけません。最悪、クルマを没収されて壊されます」
自動車の保険料もカリフォルニアは高いのだという。それはなぜか?
「街の治安が悪くなると盗難や事故も増えてきます。そうすると保険料も高くなるんですよ」
「テキサスがめちゃくちゃ安いわけではなくカリフォルニアより少し安い程度ですが」
「あと、車両登録費もテキサスはかなり安いです。フェラーリの登録費がカリフォルニアでは800ドルに対してテキサスは75ドルです」
「また、ハコスカやRX7などの日本の名車旧車に関しても同じでテキサスでは排気量に関係なくすべてのクルマの登録費用が100ドル以下です」
ガソリンのオクタン価も違う?
スティーブさんいわく、この1年でバイデン政権に代わって倍くらいに高くなったとのことである。
また、旧車好き、ハイパフォーマンスカーにとってとても重要なことがある。
それはガソリンのオクタン価が違うことだ。
カリフォルニアのガソリン価格は全米一高額だ。
原油価格の上昇で世界的にガソリンの小売価格もあがっているが、カリフォルニアでは1ガロン(3.87L)あたり5~6ドルのところもある。
リッターあたり160円超となり、日本のガソリン価格とほとんど変わりがない。
かつて「水より安い」といわれた時代もあったのだが……。
そして、ガソリンが高いことに加えてオクタン価問題も重要だ。
「カリフォルニアはオクタン価が91までですが、テキサスは93まで販売されます。ハイパフォーマンスカーのエンジンにはオクタン価が高い方がいいでしょう」