新型フォルクスワーゲンID.Buzz 3月9日公開予定 EV最新作は「ワーゲンバス」の現代版

公開 : 2022.01.25 06:05

フォルクスワーゲンは、初代タイプ2にインスパイアされた新型電動バンの「ID.Buzz」を3月に発表予定。

VWのEVモデルで「最もエモーショナル」

フォルクスワーゲンの最も有名なクルマの1つがEVとして生まれ変わることで、「クルマを愛する人々」が社内で働いていることを示すと、CEOのラルフ・ブランドシュテッターは述べている。

初代タイプ2をレトロフューチャーに再構築したID.Buzzは、急拡大するEVファミリーの最新作として、3月9日に公開される予定だ。

フォルクスワーゲンID.Buzzのレンダリング
フォルクスワーゲンID.Buzzのレンダリング    AUTOCAR

ブランドシュテッターCEOは、「当社のEVの中で間違いなく最もエモーショナルなモデルになる」とし、「持続可能なモビリティにとって最も魅力的なブランド」を目指すフォルクスワーゲンの中で重要な役割を果たすことになると語っている。

IDファミリーで最大のモデルとなるID.Buzzは、ハッチバックのID.3、SUVのID.4、ID.5と同じMEBプラットフォームを使用。乗用車と商用車をラインナップする最初のモデルである。

タイプ2のような用途の柔軟性を持たせるため、キャンパー仕様のカリフォルニアも用意されるが、フォルクスワーゲンがこの仕様を自ら販売するのか、それともタイプ2のようにサードパーティに任せるのかはまだ不明である。

これまでに公開されたID.Buzzのプレビュー画像では、室内空間を最大化するために若干直線基調になったとはいえ、2017年に好評を博したコンセプトにほぼ忠実なスタイリングであり、他のIDモデルのようなミニマルなフロントデザインや先代モデルへのオマージュと言える要素も見られる。

製造は、ドイツのハノーバーにあるフォルクスワーゲン工場で、エンジン車の新型マルチバンとともに行われる予定。

ホイールベースは2種類用意されるほか、複数のバッテリー容量、後輪および4輪駆動を選べるようにする予定であり、「当社のモジュラー電気駆動システムがいかに柔軟で多用途であるか」を示していると、ブランドシュテッターは述べている。

ただし、コンセプトで見られた最高出力374psの4WDシステムは、ID.4 GTXの300psと同等のものにトーンダウンされる可能性がある。

ID.Buzzは始まりに過ぎない?

フォルクスワーゲンは、「楽しいEV」を複数展開していく。その一部を紹介しよう。

【ID.3カブリオレ】

長い間販売されていないゴルフ・カブリオレの後継となるEVが、間もなく発売される可能性がある。それが現在開発と思われるID.3コンバーチブルで、共有プラットフォームにより開発コストを削減することで、市販化が現実的なものとなる。

【ID.3 GTX】

フォルクスワーゲンが計画中のID.3カブリオレ
フォルクスワーゲンが計画中のID.3カブリオレ    フォルクスワーゲン

「運転する楽しさはモビリティの一部です」とブランドシュテッターは語り、走りに特化したID.3の4WD仕様が登場することを認めている。ID.Xコンセプトをベースに、300psのパワートレインを搭載して生産されるようだ。

【エアロB GTX】

奇想天外なID.Vizzionコンセプトから進化した2023年発売予定のエアロBには、テスラモデル3ポールスター2といったライバルに対抗して、スポーティなGTXモデルが設定される。0-100km/h加速タイムは5.2秒、航続距離は約480kmと予想される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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