復活のランボルギーニ・カウンタック ついに公道デビュー 814馬力のハイブリッド・ハイパーカー

公開 : 2022.01.26 09:20

過去と未来を融合した象徴的デザイン

シルエットは、20年近いライフサイクルの中で生産されたさまざまなモデルからインスピレーションを得ており、「ウェッジシェイプ」はより明確なものとなっている。また、将来のランボルギーニのモデルに引き継がれる特徴として、シャープなラインとアングルが強調されている。

アヴェンタドールのアグレッシブな外観とは異なり、シンプルな直方体に近いヘッドライトとボンネットを備え、全体的にすっきりとしたデザインとなっている。

ランボルギーニ・カウンタックLPI 800-4と初代カウンタック
ランボルギーニ・カウンタックLPI 800-4と初代カウンタック    ランボルギーニ

サイドエアインテークは、初代モデルに装備されていたエアインテークを模したもの。F1マシンにインスピレーションを得たレイアウトで、サイドに取り付けられた2つのラジエーターに空気を供給するために使用されていた。

ルーフのくぼみは、カウンタックの初期モデルに装備されていた「ペリスコピカ(ペリスコープ)」と呼ばれるリアビューミラーにちなんだものだ。ブレーキランプ、ホイールデザイン、エンジンカバーのルーバーなどにはランボルギーニのトレードマークである六角形のモチーフが採用されている。

また、3Dプリントによる「可動式」エアベントや、ボタン操作で透明にできるフォトクロマチック・ルーフパネルなどの現代的な装備は、カウンタックが「歴史的なインスピレーションを受けながら、21世紀の未来を映し出すクルマ」であることを彷彿とさせる。

インテリアでは、幾何学的なステッチなどオリジナルへのオマージュも見られるが、アヴェンタドールとの関係性の近さを感じさせる。スマートフォンのミラーリング機能を備えた8.4インチのインフォテインメント・タッチスクリーンなど、現代的な装備が採用されているのだ。

乾燥重量は1595kgで、1トンあたり510psのパワー・ウェイト・レシオを実現している。カーボンファイバーが露出している部分もあるが、Bianco Siderale、Verde Medio、Bronzo Zanteなど、ヒストリカルなボディカラーが豊富に用意されている。

自動車史に名を刻む限定モデルとして

ランボルギーニのデザイン部門であるチェントロ・スティーレを率いるミィティア・ボルケルトは、オリジナルのカウンタックを「自動車史の中で最も重要でエキサイティングなクルマの1つ」と称賛し、新型カウンタックLPI 800-4は「新しい時代に向けてその進化を続ける」機会を与えてくれたと語った。

「カウンタックは挑発的で偏ったデザインでした。人々を微笑ませたり、見惚れさせたりもしますが、その悪名高い認知度はデザインの純粋さを証明しています。カウンタックLPI 800-4は、その純粋さを新たなレベルに引き上げ、歴史に名を刻む限定車として登場しました」

ランボルギーニ・カウンタックLPI 800-4と初代カウンタック
ランボルギーニ・カウンタックLPI 800-4と初代カウンタック    ランボルギーニ

ランボルギーニが歴史的な名前を復活させ、レトロなデザインを採用したことは、ある意味で驚きである。ランボルギーニの指揮を執るステファン・ヴィンケルマンCEOは、ノスタルジーを嫌っていることがよく知られている。

2005年から2016年までランボルギーニの社長兼CEOを務め、2020年に現職に復帰したヴィンケルマンCEOはカウンタックについてこう語っている。

「わたしは、レトロカーは絶対に作らないという考えを持って会社を辞めました。だから戻ってきたときに、『なぜ今さらこんなことをするのか』と言ったのです。しかし、実際にクルマを見てみると、やってよかったと思いました」

新型カウンタックは一回限りの生産となる可能性が高く、他のクラシックモデルが復活する見込みは薄い。

ランボルギーニは、2023年にアヴェンタドールの後継モデル(PHEV)を、その後すぐに4人乗りのEVセダンをデビューさせる予定で、今まさに変革の時代を迎えようとしている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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