復活のランボルギーニ・カウンタック ついに公道デビュー 814馬力のハイブリッド・ハイパーカー

公開 : 2022.01.26 09:20

マルチェロ・ガンディーニの反応は

ランボルギーニのデザイン部門を率いるミィティア・ボルケルトに、この注目の新型車についてインタビューすることができた。

――初代カウンタックを描いたマルチェロ・ガンディーニに新型車を披露するときは、緊張しましたか?

「もう、少年のように舞い上がりましたよ」

ランボルギーニ・チェントロ・スティーレ部門を率いるミィティア・ボルケルト氏
ランボルギーニ・チェントロ・スティーレ部門を率いるミィティア・ボルケルト氏

「ガンディーニは本当に素晴らしい方です。彼が気に入ってくれたのが嬉しくて。それに、初代の哲学を採り入れているのが良いと話してくれました」

――ステファン・ヴィンケルマンCEOは、レトロなデザインを好まないことで知られています。彼が今回のプロジェクトを知ったとき、どんな様子でしたか?

「ご理解いただきたいのは、ヴィンケルマンCEOが復帰する前から開発が始まっていたことです。それでも、完成はヴィンケルマンとともに迎えましたよ。もし彼が気に入らなかったら、こうしてお披露目できません」

「開発作業の大半は、ロックダウンの最中に進めていたのです。それはもう大変でした。わたしはドイツに居て、デザイナー陣はサンターガタやイタリア南部に拠点を置いていましたし、韓国、米国に駐在するメンバーも居ます。何度もオンラインでミーティングを行い、3Dプリントで検証しました」

――オリジナルの完全なコピーにはしませんでした。どのような想いを込めたのですか?

「リバイバルに関しての議論はよく耳にします。わたしの考えはこうですよ。デザイナーが正しい方法で行うのなら、つまり真に現代的な解釈を与えているのなら、まったく問題ありません。このクルマはまさにそうですね」

「わたしは2005年に蘇ったフォードGTに惚れ込んでいました。ポルシェに在籍していた頃は、917コンセプトと904リビングレジェンド、さらに911サファリを担当しました。どれも、モダニズム的なアプローチで過去を讃えるものです」

「ランボルギーニに移ったとき、カウンタックを作るというアイデアを持ち込みました。それは、過去に囚われることなく過去を祝うという、同じ理念に触発されたものでした」

――ご自宅の寝室の壁には初代カウンタックの写真を貼っていましたか?

「いやぁ、わたしは東ドイツ生まれですから、カウンタックもポルシェも何もありませんでしたよ。マツダシトロエンBXを見るのがエキゾチックな出来事だったんです」

「鉄のカーテンの向こうで育ったわたしは、兵役から帰ってきた兄がハンガリーの自動車雑誌を持ってきてくれて、写真を全部切り抜いて自分用の自動車カタログを作ったりしていました。でも、カウンタックなんてなかった。わたしが覚えている最初のランボは、LM002でした」

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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