アウトウニオンにサーブ、ネッカー、ランチア 1960年代の小さなファミリーカー 中編
公開 : 2022.02.13 07:06
110km/hでの巡航は可能だが、伸びない燃費
4速MTのシフトフィールが一番良いのは、元フィアット1100のネッカー。ランチアも拮抗している。シフトレバーはゲートに沿って正確に動き、特に考えることなく、自然に変速できる。
アウトウニオンでは、1速が2速の下で、3速は4速の下。シフトの配置が逆で練習が必要だが、レバーの動きも滑らかではない。
サーブはその中間。フリーホイールが備わり、エンジンブレーキは効かないが、クラッチペダルの操作なしにシフトダウンできる。白煙で周囲を霞ませながら進む姿は、さほど速くは見えないけれど。
2ストローク3気筒エンジンは、低回転域では特徴的なバタバタというノイズを放つ。だが、回転数の上昇とともに滑らかさを高め、ノイズも変化。4ストロークの6気筒エンジンのような、美しい声を聞かせてくれる。
トルクが足りない出だしは、確かに賑やか。吹け上がりも鈍く、スピードを乗せていくには積極的な変速操作が必要ではある。それでも、サーブ96ならさほど面倒には感じられない。
アクセルペダルを踏み込むと、サーブもアウトウニオンも110km/hでの巡航が可能。特に気張る必要もない。燃費は9.0km/L前後といったところで、現代の1.0Lエンジンとは比べ物にならないほど悪い。
効率の悪さは、当時でも2ストローク・エンジンの課題だった。給油の度に、エンジンオイルをガソリンに混ぜなければならない手間も。
この続きは後編にて。