ベントレー、サステナビリティ戦略加速 2025年以降5年間で新型EVを5車種発売予定

公開 : 2022.01.28 06:05

ゼロ炭素工場の新構想「ドリーム・ファクトリー」

また、2025年に登場する最初のEVは英国のクルー工場で製造されることが明らかになった。ベントレーは今後10年間、この工場と研究開発に25億ポンド(約3860億円)を投じ、特にサステナビリティに重点を置く予定だ。

次期EVの未塗装ボディは、ドイツ・ハノーバーにあるフォルクスワーゲン・グループの工場で製造された後、クルーに輸送される。しかし、EVの設計、開発、組み立てはクルーで行われる予定だ。

ベントレー・フライングスパー・ハイブリッド
ベントレー・フライングスパー・ハイブリッド

ベントレーはクルーの施設を拡張し、隣接地に緑地施設を建設する予定だ。この新構想「ドリーム・ファクトリー」は、デジタル重視で環境負荷ゼロ、柔軟性があり、価値の高い製造施設となることを目指す。

クルー工場は2019年にすでにカーボン・ニュートラル認証を取得しているが、2030年までクルーで製造されるすべての車両について、水の使用量、埋立廃棄物、その他の環境負荷を最小限まで減らすことを目指している。

2030年までにカーボン・ニュートラルを達成するためのその他の取り組みとして、クルーでは今後2年間でソーラーパネルを3万枚から4万枚に増設する予定だ。ヘリテージ・コレクションを含め、同社が所有する車両に持続可能なバイオ燃料を使用することも検討している。

サプライヤーもまた、同社の目標をサポートするために、最低限のサステナビリティ基準を満たすことが求められる。世界各地のディーラーも同様で、こちらは2025年までにカーボン・ニュートラルの達成を目指す。

ホールマークCEOは、次のように述べている。

「25億ポンドの投資を行い、ビヨンド100戦略の加速とBEV生産に向けたクルー工場の改革を並行して進めることで、102年の歴史を誇るベントレーは重要な転換点を迎えます。そしてこのことが、ベントレーの組織全体ならびにサプライヤーおよびパートナーの皆様、さらには自動車業界と英国製造業の前途を照らす光明となることを願っています」

「ビヨンド100戦略に関する今回の発表によって、輝かしい歴史を刻んできたベントレーは大いなる変革に向けて本格的なスタートを切りました。変化し続けるこの世界で、わたし達は環境への影響をゼロにするという役目を果たさなければなりません」

「ベントレーは2030年までにエンドツーエンドのカーボン・ニュートラル達成を目指し、持続可能なラグジュアリー・モビリティを牽引するメーカーとして生まれ変わります」

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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