フェアレディZにシビック・タイプRも 2022年デビュー「スポーツカー」を解説
公開 : 2022.01.29 05:45
ホンダはシビックRを披露
ホンダブースに展示されていた次期シビック・タイプRは先行試作車だった。
デザインの細部がわからないようにする偽装ラッピングこそされていたものの、デザインなどはすでに確定したものである。
「ガンダムっぽい」と言われた先代に比べるとデザインが滑らかになり、リアウイングもやや小ぶりになった印象を受けた。
メカニズムについては一切明らかにされず、展示車は車体の下が見えないように下部が囲われるなどガードの硬い部分もあったが、それよりもこのタイミングで姿を現したことを評価したい。登場は夏ごろだろうか。
ちなみに2年前、シビック・タイプRの後期モデルが限定車だけでなく、限定ではない通常モデルまで発表とともに即完売した理由は2つの条件が重なったからだった。
新型コロナウイルス感染症の拡大によるロックダウンで生産を担うイギリス工場の稼働が止まり、なおかつその工場が年末に閉鎖する予定となっていたことで十分な生産台数を確保できなかったのである。新型はその心配はないだろう。
ところで、東京オートサロン2022は、トヨタの社長であり同社のマスタードライバーである豊田章男氏……というよりレーシングドライバーでもありクルマ好きのモリゾー氏とGR部門のプレジデントである佐藤恒治氏のプレス会見からスタートした。
実際にはプレス会見というよりは2人によるおもしろトークショーだったのだが、そのなかで笑いを誘ったのが「次の会見は日産さんですね。Zには負けないからね!」と締めたことだった。
いよいよスープラに「MT」?
「Zに負けない!」という発言はおそらくオートサロンを盛り上げるためのトークにすぎず深い意味はないと思われるが、今年はZのライバルに「あれ」が投入されるとうわさされている。
「スープラ」の「MT」だ。
スープラはATしかなく、市場からはMTを求める声が根強い。
デビュー時に、当時の開発責任者だった多田哲也氏は「MTのニーズがあるのはわかっているが、まずはATに乗ってみて」と言いつつも「すでにMTの試作車にも乗っている」といった意味深な言葉を述べていた。
そして、デビュー1年後の年次改良時に話を聞いたときは、MTに関するコメントも少し前向きになったと感じられた。
そのMTがついに今年、登場するかもしれない。
カギとなるのは、組み合わせることのできるギアボックスの存在だろう。
4気筒モデルであれば、兄弟車のBMW「Z4」には本国仕様にMTモデルがあるのでメカニズム的には何の問題もない。
一方で6気筒モデルは、現在の387ps仕様ではMTを組み合わせた実績がないが、初期モデルとしていた340ps仕様であれば「M240i」でMTが設定されていたことがある。
だからメカニズム的にMTを搭載できる可能性はゼロではない。
もしくは、あくまで希望的観測に過ぎないがBMW「M4」で用意されている「480ps仕様+MT」の組み合わせをGRMNモデルとして設定する……なんてことだって考えられる。
ピュアなガソリンエンジンは最後?
MTといえば、スバル「WRX STI」として新型WRXのMTモデルの登場も夏ごろとうわさされているから興味津々だ。
果たして最高出力は何馬力に設定されるのだろうか?
ところで、今回紹介したモデルに共通する点にお気づきだろうか。
いずれも、モーターを組み合わせないピュアな高出力ガソリンエンジンを搭載しているということ。
クルマを取り巻く昨今の状況を考えれば、そんなクルマを販売できるのも先はそう長くない。
おそらく、上記のモデルは今年デビューする世代(スープラは現行世代)がそれを味わう最後のチャンスとなりそうだ。
ガソリンの匂いがたまらなく好きな好事家なら、無理してでも買う価値はあると断言できる。