生産モデルに近いBMW i3を公開

公開 : 2012.06.14 10:53  更新 : 2017.06.01 00:55

ロンドンのパークレーンに開設されたBMW iブランド専門のショールームのオープニング・イベントでBMW i3コンセプトカーが公開された。

2013年にデビューする予定のモデルだが、そのコンセプトカーはより具体的な生産に向けて現実的なインテリアとエクステリアが施されていたのが特徴だ。そのエクステリアは、ペイントこそ今までのモデルと異なるが、それ以前に発表されたi3と大きく異なるところはない。しかし、一方で、そのキャビンは一新されている。

ちなみに、新しいBMW i3はBMW i ペデリックと呼ばれる電気自転車と一緒に発表されたものである。

iデザインのヘッド、ブノワ・ジェイコブによれば「ここに展示したモデルは85〜90%、生産モデルに受け継がれる予定だ。北京モーターショーでのi8スパイダーのようにドア越しにしか見ることはできないが、そのディテールは大きく変わっている」としている。

BMW i3は2つの独立したモジュールによって形成される。構造的なドライブ・モジュールはアルミニウム製で、バッテリー、ドライブ・システム、そしてシャシーからなる。もうひとつがライフ・モジュールと呼ばれる乗車部分で、軽量なカーボンファイバー強化プラスティック製となる。クルマの重量は1250kgを切るという。

リア・アクスルの上に設置されるエレクトロニック・システムと168bhpの電気モーターによってBMW i3は動かされる。そのコンポーネンツはキャビンを侵食することのない設計がされている。トルクは23.5kg-mで、シングル・スピードのギアボックスがこれに組み合わせられる。

i3は0-60km/h加速が4秒以下、0-100km/h加速が8秒以下、そして150km/hの最高速度をマークする。

ベストな重量バランスを考えてフロアに搭載されるリチウム・イオン電池がそのエネルギー源だ。i3は、現時点では160kmの到達距離を持っているが、レンジ・エクステンダー(予備バッテリー)を搭載することも可能だ。

純粋なEVとして、完全充電まで6時間、80%充電であれば急速充電器によって1時間で充電が可能だ。また、スロットルをオフにすることによって回生ブレーキによってエネルギーを蓄えることもできる。

また、惰性で走っている時には電気モーターをドライブ・アクスルから切り離す仕組みも組まれている。この状態では慣性だけで走行していることになる。

i3には消費電力を最小にするために他の機能、例えばヒーテド・ドア・ミラーやヒーテッド・シートをカットするエコ・プロ・モードもある。

ライフ・モジュールは、現在販売されている一般的なクルマよりも大きなスペースを持っているという。フロントとリアのパッセンジャーはフルワイズのベンチ・シートにすわることになる。モーターとバッテリーの位置の工夫によって、トランス・スペースは200リッター以上を確保している

独立したステアリング・コラムは、主要なスイッチとメーター類、そしてスタート・ストップ・ボタンやギアシフト・レバーを収納する。オーディオやエアコンもインストルメント・パネルの中に収まるため、センターコンソールが不要となっている。また、6.5インチのディスプレイにプラスして8.5インチのセントラル・インフォメーション・ディスプレイも装備される。更に、3枚目のスクリーンは、オーディオ・システムとエアコンの機能を表示するために使用される。

インテリアは、本革とウッド、ウールで構成されるが、それらは全て再利用可能な素材か天然素材が使われる。とりわけウッドの素材には、管理されたヨーロッパの森から供給されるユーカリの木が使われる。これはデリバリーするための距離が短いのが特徴だ。また、本革はオリーブの葉から出た染料を使ってなめされるという。

BMWはディーラーの10%を利用して、iブランドを販売することを明らかにした。ユーザーを安心させる意味もあって、iブランドはディーラーではなくBMWとの契約となる。また、自宅の改装などを含めて包括的なサービスを提供するとしている。更に、電気自動車の航続距離がまだまだ短いことから、必要な時に従来の内燃機関を持ったBMWを自由に借りることのできるパッケージも選ぶこともできるようにするということだ。

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