次期レンジローバー・スポーツ SVRは最高出力625psのBMW V8搭載か 完全電動モデルも導入

公開 : 2022.02.01 18:05

ハイブリッドや完全EVも導入

それだけでなく、BMWのV8は、現行の「AJ」ユニットよりも17%効率が向上しているという。低回転時の燃費は10.2km/lで、WLTP複合サイクルでの排出量は265g/kmと公表されている。ランドローバーは、さらに電動化によって環境への影響をさらに軽減しようとしている。

MLAプラットフォームは、さまざまな電動パワートレインを搭載することができる。標準的なスポーツは、48Vマイルド・ハイブリッドの直6エンジン(ガソリンとディーゼル)を採用する見込み。そして注目すべきは、3.0L 6気筒ガソリンエンジンに143psの電気モーターと31.8kWhのバッテリーを組み合わせ、100kmのEV走行距離を実現するPHEVだろう。

新型ランドローバー・レンジローバー
新型ランドローバー・レンジローバー    ランドローバー

BMWが昨年公開した「コンセプトXM」では、V8と高出力モーターを搭載して合計出力を750psとし、20kWhバッテリーで80kmのEV走行距離を実現している。同様のセットアップがまもなく発売のBMW M5に採用される見込みで、次期レンジローバー・スポーツにも採用される可能性がある。それが実現すれば、ランドローバー史上最もパワフルなモデルが誕生することになる。

さらに、完全EV仕様も導入予定だ。JLRは、レンジローバーを皮切りに10年以内に全モデルにEVを導入する計画で、販売台数の60%をEVにしようとしている。この目標を達成するためには、ゼロ・エミッションのスポーツの導入が不可欠であり、2020年代半ば頃に発売されるのは間違いないだろう。

こうした電動レンジローバーにBMW由来のパワートレインが採用されるかどうかは、まだ確定していない。

JLRとBMWの提携は、新しいEV駆動システムの共同開発が中心だが、BMWはすでに新型iXをはじめとする後輪駆動および全輪駆動のEVを展開している。iX M60(最高出力619ps、最大トルク111kg-m)と同様に、レンジローバー・スポーツEVは、V8エンジンを搭載したSVRに匹敵する性能を持つようになるかもしれない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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