フィアット500 詳細データテスト 十分以上の動力性能とハンドリング 航続距離と快適性はほどほど
公開 : 2022.02.05 20:25 更新 : 2022.03.15 04:02
購入と維持 ★★★★★★★★☆☆
もっとも安価なグレードのアクションは、バッテリーも小容量版となるが、価格は2万3495ポンド(約364万円)から。補助金を差し引けば2万1995ポンド(約341万円)となる。スマートEQフォーツーを除けば、英国で買える新車のEVではもっとも安い。
むろん、ルノー・トゥイージーやシトロエン・アミのようなマイクロEVも、販売終了したセアト・ミイやスコダ・シティゴーは比較対象外だ。また、スマートに比べれば、室内スペースも、シートの数も、航続距離も、フィアットのほうがずっと上回っている。
フォルクスワーゲンUpやヒュンダイi10、またセアト・イビザのようなガソリンエンジンのコンパクトカーと比較すれば、当然ながら価格は高い。しかし、それはほとんどのEVに言えることだ。
トップエンドの仕様になると、価格は3万ポンド(約465万円)台前半。これは、広さや航続距離で上回るプジョーe−208の同等グレードよりやや安く、ヴォグゾール・コルサ−eやルノー・ゾエと近い。マツダMX−30はこれらより低価格だが、航続距離で劣る。
航続距離に関して、フィアットは320kmという公称値を謳うが、実測の結果を踏まえると楽観的な数字だと思える。テスト時は寒かったが、高速道路での走行を含めても225km程度というのが現実的なところだ。
もしも市街地のみで、天候にも恵まれれば、260km近くに届くかもしれない。残念だったのは、満充電時に表示される航続距離表示が、楽観的な数字を示しがちだったことだ。
充電スピードはまずまずだが、それ以上のことはない。小容量版は50kW、大容量版は85kWまでにそれぞれ対応し、0〜80%のチャージは35分かかるという。これは、われわれのテスト結果とも一致している。