ACコブラの末裔 Mk IVとライトウエイト ACスーパーブロワーにAC CRS 中編

公開 : 2022.02.20 07:06

V8にスーパーチャージャーで324ps

1996年に会計事務所のお世話になったオートクラフト社は、フォードとの関係も解消。コブラの名前も使えなくなった。そこへ南アフリカの実業家、アラン・ルビンスキー氏が救いの手を差し伸べる。そして、ACカー・グループ社を立ち上げた。

「ルビンスキーは従業員を集めて、Mk IVを改善する方法を議論しました。われわれは、新しい高性能モデルが登場するなかで、フォードの302cu.inユニットのパワー不足を指摘したんです。そこで生まれたのが、ACスーパーブロワーです」

ACカー・グループ ACスーパーブロワー(1997〜2001年/英国仕様)
ACカー・グループ ACスーパーブロワー(1997〜2001年/英国仕様)

「事実上、コブラという名前のない、スーパーチャージャーを載せたコブラです」。デュケットが頬を緩ませる。

パワーアップのため、同じフォード社製V8エンジンにスーパーチャージャーを載せ、最高出力324psを引き出した。ACコブラ・ライトウエイトほどではないが、Mk IV ACコブラ比で5割ほどパワフルだ。

スーパーブロワーは利益を稼ぐ必要があり、北米への輸出が不可欠だった。発売がスタートしたのは1997年。新車時の価格は6万9795ポンドだったが、現在は12万ポンド(約1860万円)前後で取り引きされている。今回の4台では、シルバーのコブラだ。

ダッシュボードは、主要メーターが中央部分に集約されている。ドライバーの正面には、警告灯とウインカー用のパネルがあるだけ。内装はシンプルだが美しく仕立てられ、バーガンディのレザーとカーペットに、アルミのディティールが丁寧に施してある。

音量はライトウエイトより控え目だが、音質は充分に威圧的。スーパーチャージャーの悲鳴も聞こえにくい。たとえ唸っていても、エグゾーストノイズで消されてしまう。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ベン・バリー

    Ben Barry

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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