ACコブラの末裔 Mk IVとライトウエイト ACスーパーブロワーにAC CRS 中編
公開 : 2022.02.20 07:06
V8にスーパーチャージャーで324ps
1996年に会計事務所のお世話になったオートクラフト社は、フォードとの関係も解消。コブラの名前も使えなくなった。そこへ南アフリカの実業家、アラン・ルビンスキー氏が救いの手を差し伸べる。そして、ACカー・グループ社を立ち上げた。
「ルビンスキーは従業員を集めて、Mk IVを改善する方法を議論しました。われわれは、新しい高性能モデルが登場するなかで、フォードの302cu.inユニットのパワー不足を指摘したんです。そこで生まれたのが、ACスーパーブロワーです」
「事実上、コブラという名前のない、スーパーチャージャーを載せたコブラです」。デュケットが頬を緩ませる。
パワーアップのため、同じフォード社製V8エンジンにスーパーチャージャーを載せ、最高出力324psを引き出した。ACコブラ・ライトウエイトほどではないが、Mk IV ACコブラ比で5割ほどパワフルだ。
スーパーブロワーは利益を稼ぐ必要があり、北米への輸出が不可欠だった。発売がスタートしたのは1997年。新車時の価格は6万9795ポンドだったが、現在は12万ポンド(約1860万円)前後で取り引きされている。今回の4台では、シルバーのコブラだ。
ダッシュボードは、主要メーターが中央部分に集約されている。ドライバーの正面には、警告灯とウインカー用のパネルがあるだけ。内装はシンプルだが美しく仕立てられ、バーガンディのレザーとカーペットに、アルミのディティールが丁寧に施してある。
音量はライトウエイトより控え目だが、音質は充分に威圧的。スーパーチャージャーの悲鳴も聞こえにくい。たとえ唸っていても、エグゾーストノイズで消されてしまう。
この続きは後編にて。